五十肩 もくじ
・ 五十肩とは? ・ 五十肩の症状 ・ 五十肩になりやすい理由 ・ 家でできる五十肩の改善方法 ・ 五十肩Q&A ・ 五十肩の施術法
五十肩とは?
五十肩は中高年の40~60歳代の方、特に女性に好発する症状です。 40歳代の方に起こるものを四十肩、 50歳代の方に起こるものを五十肩といい、呼び方は違いますが同じ症状になります。 五十肩の正式名称は肩関節周囲炎と呼び、肩関節の周りの軟部組織に炎症が起こってしまったものをいいます。 五十肩は片側に起こることが多く、両肩が同時に発症することはほとんどありません。 よく肩こりと間違われがちですが、肩こりは血行不良により筋肉が硬くなってしまったもので、炎症は起こっていません。五十肩の症状
五十肩は大きく3つの時期にわけられ、時期により肩の痛みの強さなど症状が変わってきます。 ここでは、3つの時期によりどんな症状がでてくるのかお話していきます。<急性期>
急性期は約2カ月~数カ月ほど続きます。 はじめは肩に違和感をがあり、肩の重苦しさやなんとなくの痛みを感じます。 しだいに肩にズキズキとした痛みが出始め、だんだんと痛みが強くなっていきます。 肩を少し動かすだけでも痛むことが多く、症状が強い方はなにもしなくても痛むことがあります。 特に夜や明け方の冷える時間帯では、痛みが強くでることが多く、 夜に痛みで眠れなかったり、痛みによって目を覚ましてしまうことがあります。 痛みによって肩がほとんど動かせなくなってしまうことから、肩回りの軟部組織が少しずつ硬くなっていき、肩の可動域がだんだんと狭くなっていきます。
<慢性期>
慢性期は約4カ月~1年ほど続きます。 徐々に痛みが減っていき、急性期と比べると痛みは少し落ち着きます。 痛みで肩を動かせないといったこともなくなり、少しずつ動かせるようになっていきます。 しかし、肩の可動域は狭くなったままで、ある程度は動かせるが、これ以上動かせないといった状態になります。 これにより、肩を上げたり、腕を後ろに回したりする動作が困難になります。 例として ・髪を洗う ・髪を後ろで結ぶ ・上着の着脱 ・エプロンの紐を後ろで結ぶ ・洗濯物を干す などといった日常生活での動作に影響していきます。
<回復期>
回復期に入ると痛みは消え、肩を動かしても痛みがでることはなくなります。 また、肩の可動域も少しずつよくなっていきます。 肩の可動域が元の状態に戻るまでに約1年ほどかかってしまいますが、日常生活の動作で困ることは少なくなっていきます。五十肩が起こりやすい理由
五十肩は肩回りの組織が老化によって、柔軟性の低下が原因となり発症すると考えられています。 肩関節は肩の可動域を広くするために骨だけでは不安定な構造になっており、関節を包んでいる袋(関節包)や筋肉が安定性を高めています。 そのため、肩関節を支えるために常に肩回りの組織に負担がかかり続け、 柔軟性の低下とともに少し力をいれただけでも傷つきやすくなってしまいます。 また、糖尿病の方は五十肩になりやすく、糖尿病の方の約2割は五十肩に悩まされています。 これは血糖のバランスが崩れ血行不良になり、筋肉の傷ついた部分に血液が上手くいきわたらず、修復能力が低下してしまうが原因と考えられています。<五十肩になるメカニズム>
老化による筋肉の柔軟性の低下 ⇩ 柔軟性の低下によって骨と筋肉をつなぐ腱に疲労がたまる ⇩ 腱が徐々にもろくなっていき、少しの力で傷つき炎症を起こしやすくなる ⇩ 炎症が関節包まで広がり、痛みが強くなる ⇩ 肩の軟部組織が硬くなっていき、肩の可動域が悪くなる家でできる五十肩の体操
五十肩が慢性期になり、肩の痛みが減ってきたら痛みがでない範囲で動かし、可動域を少しずつよくなるようにしていきましょう。 ここでは家でもできる簡単な体操を2つご紹介していきます。 体操をはじめて肩に痛みが出始めたら、中断して肩を休ませてください。 体操を始める前は肩を温め、体操後は肩を冷やしてしてクールダウンさせると痛みがでにくくなります。<テーブルサンディング>
・自然な体勢を保てる高さの机にタオルを置き、その上に手を乗せます ・可能な範囲で手を前方に滑らせていきます これを10回繰り返し、3セット行います。 ポイントは 手を前方に滑らせたとき、背筋が丸まらないようにすることです。<肩の外旋ストレッチ>
・軽い棒を用意します(似たようなものでも大丈夫です) ・両肘を90度に曲げ、手のひらを向かい合わせて親指で棒を持ちます ・わきを締めて痛みがでてる肩のほうへ、可能な限り棒を横にスライドさせ10秒キープします *肩に痛みがある場合は、わきにタオルを挟みます これを10回行います。 ポイントは 棒を横にスライドしたときに、わきが開かないようにすることです。五十肩Q&A
肩の痛みで眠れないときはどうしたらいい?
寝る向きによって対策していくようにしましょう。 仰向けで寝る場合は肩の後ろにタオルなどを置き、肩を支えるようにします。 横向きで寝る場合は、痛みのある肩を上にして枕や毛布を抱くようにして肩が下がりすぎないようにします。
肩に痛みがでたのですが五十肩ですか?
肩の痛みにはさまざまな症状があり、ほかの症状と判別していかなければいけません。 腱板断裂、石灰沈着性腱炎、上腕二頭筋腱炎などといったものがあり、これらの症状はレントゲンやMRIで判別できますが、異常がなく肩に痛みがある場合は五十肩を疑います。 また、五十肩では肩の可動域が特に制限されたり、夜に痛みが悪化するといった点も判別するポイントです。