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野球で生じやすいスポーツ障害6選 | 伊勢崎市にある接骨院がく伊勢崎茂呂院は日祝日も交通事故施術に対応

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野球で生じやすいスポーツ障害6選

最終更新日 2022/5/13
接骨院がくグループ代表
柔道整復師 山田 学 監修

野球に特徴的な投球動作は、肩関節や肘関節にストレスがかかりやすい動作です。投球動作は、肩や肘の動きだけでなく、体幹機能や柔軟性、足の安定性など、いろいろな要素が必要になります。そのため、全身をうまく使えないと、特定の部分に負担がかかってしまい、痛みにつながってしまいます。肩を痛めると言っても病態は様々で、負担のかかる組織により診断名は異なってきます。

野球で生じやすいスポーツ障害6選 もくじ

・投球動作で生じる肩関節の痛み

・投球動作で生じる肘の痛み

・スライディング・ダイビングキャッチで生じる怪我

・まとめ

投球動作で生じる肩関節の痛み

投球動作は、力強さや柔軟性が求められる、肩関節にストレスがかかりやすい動作です。肩関節の構造は複雑であり、様々な筋肉がバランスよく働くことにより、正常な動きができるようになっています。しかし、過剰な投球練習や、疲労、オーバーユースなどが原因で、肩関節の機能を正常に保てない状態になると、一部の筋肉に負担がかかってしまったり、挟み込みが起きてしまったりするため、痛みが出てきてしまいます。肩に関する痛みの治療は、肩の構造的な修復だけでなく、フォーム全体の見直しをする必要性もあります。また、大事な試合の前など、フォームの変更をしない方が良い時期もありますので、様々な要素を考慮して治療を展開していく必要があります。
それでは、細かく肩関節の障害について解説していきます。

・肩峰下インピンジメント症候群

肩関節は、肩甲骨と上腕骨の2つの骨で成り立っています。(正確には他にも多くの部位が関与していますが、ここでは簡略化してお伝えします。)肩甲骨には、肩峰という外側に出ている骨があります。この肩峰の下には、組織の滑りを円滑にする滑液包や上腕骨をしっかりと肩甲骨に押し当てるための筋肉が走行しています。投球動作では、足を大きく前に出す「コッキング期」から、ボールをリリースするまでの「加速期」までの間に、挟み込みが起きることが多いです。この時期は、ボールを持った状態(肩関節が外旋した状態)からボールのリリースに向けて、肩関節が大きく内旋することから挟み込みが起きやすいと言われています。
反復して挟み込みが生じると、滑液包や腱板が炎症を起こしてしまったり、腱板が切れてしまったりします。

・腱板断裂

上腕骨の動きを良くし、肩関節が円滑に動くためには欠かせない筋肉が、腱板です。肩峰下インピンジメントの部分でも触れましたが、投球動作に伴い、挟み込みが起きてしまい筋肉が断裂してしまう状態を腱板断裂といいます。
投球動作以外にも、転倒などの衝撃が原因で腱板が切れてしまう、外傷性の腱板損傷というものもあります。
投球動作で見られる腱板断裂は、主に非外傷性の腱板損傷が多く、不全断裂である例が多いとされています。

・肩関節不安定症

一般的に肩関節が不安定になってしまう原因としては、元々関節が柔らかく脱臼しやすい場合や、怪我により肩を脱臼した経験があり、その後脱臼をしやすくなってしまう場合があります。しかし野球をしている方の場合は、繰り返しの投球動作により、肩にストレスがかかり、肩関節を包んでいる袋(関節包と言います)が伸びてしまい、肩関節に不安定性が出る場合があります。
ボールを投げる側と投げない側では、肩関節の柔らかさに左右差があることが多く、治療の際には両側をしっかりと比較する必要があります。

投球動作で生じる肘の痛み

投球動作での肘の痛みは、肩関節に並んで多い痛みです。特に、足を踏み出すコッキング期〜ボールをリリースするまでの加速期において、肘には「くの字」になるようなストレス(外反ストレスといいます)がかかるとされています。この外反ストレスがかかると、肘の内側には伸ばされるストレスがかかり、外側には圧迫されるストレスがかかります。
このストレスにより、肘の痛みが生じると考えられています。

・上腕骨小頭障害

投球動作での反復する外反ストレスが原因で、肘の外側に圧迫されるストレスがかかり、骨に障害が出てくる疾患です。離断性骨軟骨炎とか、肘の関節ネズミとも言われています。
初期の頃は、野球の終わりに肘に違和感が出たり、肘の曲げにくさや伸ばしにくさなどを感じる程度です。炎症が強くなってくると、肘関節に水がたまるようになることもあります。
成長期の子供に多く、軟骨の損傷を伴うため、治療するためには長期間の投球を制限する必要が出てきます。また、野球に復帰したとしても、肘にストレスのかからないフォームを身につけていないと、再発する可能性もあります。投球が制限されている期間内に、投球フォームの、どの部分が悪いのか適切に評価をし、肘にストレスがかかりにくいフォームを身につけることが必要になります。

・肘関節内側不安定症

肘関節の内側には、靭帯があります。度重なる肘への外反ストレスで、肘の内側の靭帯を損傷してしまい、肘に不安定性が出てしまう病態を肘関節内側不安定症と呼びます。
肘関節内側の靭帯は、3つのパーツに分けて考えられています。その中でも重要なのは、前斜走繊維と呼ばれる繊維です。前斜走繊維は、肘のあらゆる角度でも一定の長さを保ち、どの角度でも肘が外反方向に動かないように制御しています。他にも後斜走繊維や横走繊維という繊維もあるのですが、角度により弱い部分が出てきてしまうため、前斜走繊維が重要とされています。
投球動作では肘の内側に対して、靭帯が切れてしまうほどのストレスがかかるとされています。そのため、手投げになっていると、ほぼ確実に肘の靭帯を痛めてしまうと考えることができます。肘の靭帯を痛めずに、長期的に野球を続けていくためには、全身をうまく使い、肘だけに負担がかからないようにするフォームを習得することが必須と言えます。

スライディング・ダイビングキャッチで生じる怪我

野球は投球動作だけでなく、走塁や守備などで手から飛び込むスライディング動作やダイビングキャッチをすることがあります。これが、肩関節の脱臼につながる動作になります。肩関節の脱臼は、手術を必要とすることもある病態です。なるべく脱臼を経験しないように、予防をしていく観点が重要になります。

・外傷性肩関節脱臼

外傷性肩関節脱臼とは、外から加わる力が原因で肩関節が脱臼してしまう病態のことを言います。
脱臼の多くは、前方に脱臼する傾向にあります。肩甲骨の関節窩という受け皿にはまっている上腕骨が脱臼してしまうため、肩関節周囲の靭帯や関節を包んでいる関節包、肩関節の適合をよくしている関節唇の損傷をする場合があります。これらの損傷だけでなく、関節窩の骨折を伴う場合もあります。
ヘッドスライディングやダイビングキャッチは、やむを得ない場合に使用する技術ではあるものの、今回ご紹介している肩の脱臼や突き指、相手選手から手を踏まれてしまうリスクなどが考えられる危険な技術です。怪我の種類によっては、選手生命を左右する怪我にもつながりかねないので、慎重に判断する必要があると思われます。

まとめ

今回は、野球で生じやすいスポーツ障害6選ということで解説をしてきました。野球では、主に投球障害として肩・肘の障害、走塁や守備の障害として外傷性肩関節脱臼について解説してきました。投球障害では、投球フォームが原因で、肩や肘にストレスがかかることがあります。このストレスにより、肩関節周りの組織が伸びたり、挟み込まれたりして損傷し、不安定性を呈するようになることがお分かり頂けたと思います。肘の障害は成長期の選手に多く、投球フォームを根本から修正していく必要性も解説しました。長期に投球ができずに、野球に対するモチベーションが下がる可能性も考えられます。しっかりと治療をし、フォームを直すことが根本的な治療になることを、しっかりと理解していただく必要があると考えます。
外傷性肩関節脱臼では、ヘッドスライディングやダイビングキャッチで生じやすいことを解説しました。華やかなプレーではあるものの、怪我と隣り合わせの危険なプレーになります。野球選手として致命的な怪我を負わないように、注意しながらのプレーが必要になります。
投球フォームの修正は、自分だけでは気づけない点も多く、専門家の意見が必要になる場合があります。また、自分では気づかない筋力低下や関節の硬さなども、あるかもしれません。
今回ご紹介した怪我を診断された場合には、自分の投球フォームのどこが悪いのか、自分の体のどこが弱点なのか、適切に把握することが大切です。
早期に専門家に相談し、重症化する前に治療を開始するようにしていきましょう。