手のしびれ もくじ
・ 手のしびれとは? ・ 手のしびれの種類と原因 ・ 手のしびれの治療 ・ 手のしびれの予防 ・ 手のしびれQ&A ・ 手のしびれの施術法
手のしびれとは?
手のしびれにはさまざまな原因があり、日常生活の中でもみられることがあります。 多くの方が経験したことがあるようなものだと、腕を枕にして寝ていたら手がしびれてしまったことはありませんか? これは、頭の重さによって神経が長時間圧迫されたことにより生じます。 しびれとは神経になにかしらの刺激が加わったときに起こります。 手の神経に至るまでの通り道を簡単に説明すると、まず神経の中枢である脳・脊髄から始まります。 首のあたりで腕神経叢という神経の束がでて、鎖骨の下を通り腕にかかり肘、手関節を通って手まで伸びています。 神経の通り道でなにかしらの異常が起こり、神経を刺激してしまうと手にしびれが生じます。手のしびれの種類と原因
①橈骨神経麻痺
特徴 腕から肘の間で神経が圧迫されたもので、第1指から3指の背側にしびれ、感覚障害がみられます。 指のつけ根を伸ばしたり手を背屈させることができなくなり、下垂手といって手が垂れた状態になります。 原因 最も多い原因は、腕の圧迫によるものです。 お酒を飲んだ後、座ったまま腕を枕にして寝てしまったなどといった例があります。 そのほかにも、上腕骨の骨折によって折れた骨片が神経を圧迫して起こるものがあります。<後骨間神経麻痺>
特徴 橈骨神経の枝分かれした神経で、肘から下で神経が障害されたものです。 橈骨神経麻痺と違う点は、感覚は正常で手関節の背屈もできます。 しかし、指のつけ根が伸ばせなくなり下垂指となります。 原因 ガングリオンや腫瘍などのできもの、ぞうきんを絞ったりなどの手首を回す動きの繰り返しによって神経が障害を受けます。 また、神経炎によってしびれを生じることもあります。②正中神経麻痺
特徴 肘の少し下あたりが圧迫される円回内筋症候群、手関節の少し下あたりが圧迫される手根管症候群があります。 神経の障害レベルによって症状の有無はありますが、一般的に第1指から4指半の掌側にしびれ、感覚異常がみられます。 手根管症候群の場合は、手を振るとしびれが緩和されることがあります。 また、手首や指の屈曲ができなく、母指球のふくらみがなくなり、猿手というその名の通り猿のような手になります。 原因 繰り返し重いものを持ったり、スポーツなどで腕を酷使して円回内筋が緊張し神経を圧迫してしまうもの。 手作業が多い仕事や手のむくみによって手根管が圧迫されたものなどがあります。 そのほかにも、骨折、腫瘍などによって正中神経が圧迫されることがあります。<前骨間神経麻痺>
特徴 正中神経の枝分かれした神経で、肘のまわりで神経が障害されたものです。 正中神経麻痺と違う点は、感覚は正常で第1、2指が曲げられなくなります。 そのため、OKサインをつくろうとするときれいな丸にならず、ティアドロップサインという涙にしずくのような丸になります。 原因 骨折した骨片のずれが大きかったり、円回内筋の緊張によるもの、神経炎などがあります。③尺骨神経麻痺
特徴 肘の内側が障害された肘部管症候群、手関節の内側が障害されたギヨン管症候群があります。 第4指半分と5指がにしびれ、感覚異常がみられます。 また、小指球が萎縮し第4、5指が曲がり、つけ根の部分は過剰に伸ばされる鷲手という形になります。 原因 骨折、ガングリオンや腫瘍などのできもの、力作業の多い仕事、野球など肘に負荷がかかるスポーツで神経が障害されます。 野球では特に変化球を多く使う投手に多いです。 球数を多く投げたり、変化球の多様によって肘にかかる負荷が大きくなります。④胸郭出口症候群
特徴 20~30代のなで肩の女性に多いです。 鎖骨と第1肋骨の間が狭く神経が圧迫され、手にしびれや痛み、脱力感がみられます。 手を挙げたときなどに症状がみられたり、悪化したりすることがあります。 しびれ以外にも血管が圧迫され手の冷感を感じる方もいます。 慢性化すると頭痛や吐き気といった症状がみられます。 原因 生まれながらに鎖骨と第1肋骨の間が狭くなっている場合や重いものを持つことの多い仕事、水泳やバトミントンなど肩を高く上げるスポーツに多くみられます。 また、ボディービルダーのように過剰に筋肉を鍛え、鎖骨と第1肋骨の間が狭くなっている場合もあります。⑤神経炎によるもの
特徴 代表的なものでギランバレー症候群があります。 手足の脱力やしびれ、手袋や靴下を履く範囲での感覚異常がみられます。 また、顔面神経麻痺などの症状がみられることもあります。 原因 ウイルスなどの感染をきっかけに自分自身の免疫が誤って神経を攻撃してしまうことが考えられています。⑥脳・脊髄の異常によるもの
特徴 手のしびれだけでなく広い範囲でのしびれ、感覚障害、めまいや嘔吐、意識障害などさまざまな症状がみられます。 原因 脳出血や脳梗塞、脳脊髄炎などによるもの手のしびれの治療
一般的に手のしびれには保存治療が多く行われます。 温熱療法によって原因となっている筋肉を緩めたり、干渉波を流して神経を刺激し、活動を促進させていきます。 症状が軽いうちは安静に努めるだけでも症状の改善がみられますので、腕や手を酷使している場合は控えるようにすると良いです。 保存療法で改善がみられない場合や骨片のずれが大きい骨折、ガングリオンや腫瘍などのできもの、脳の異常が強い場合には手術が行われることがあります。 下記のページに詳しい施術内容が書いてありますので、ぜひ参考にしてみてください。手のしびれの予防
①運動やストレッチ
運動やストレッチをして筋肉の柔軟性や血行を良くしていきましょう。 血行が悪くなってしまうと神経の活動が弱くなってしまいます。 ウォーキングをしたり、手首や肘、肩まわりのストレッチを習慣づけていくようにしましょう。②休息をしっかりと取る
腕や手関節の酷使によって筋肉が緊張し、神経が圧迫されることが多いです。 仕事や家事などでお忙しいとは思いますが、ときにはしっかりと休息をとることも大切です。 体をリフレッシュすることで神経の活動も促進されていきます。③体を温める
お風呂に浸かり体をしっかりと温めるようにしましょう。 体を温めることで筋肉がほぐれ、血行も良くなっていきます。 特に寒い時期は冷えによって筋肉が緊張しやすいです。 しっかりと体を温め、冷やさないようにしましょう。<手のしびれに効く体操>
ここで手のしびれの予防、改善になる体操を2つご紹介していきます。 *痛みのない範囲で行ってください①前腕のストレッチ
・片腕を前に伸ばし手のひらを上にします ・反対の手を伸ばした手に添え引いていき、10秒キープし10回繰り返します ・次に手のひらを下にします ・同じように反対の手を添え引いていき、10秒キープし10回繰り返します *手首にもとから痛みがある場合は肘を曲げて行うとよいです②神経グライド
・テーブルに肘をつき、手のひらを上にして手首を反らします ・反対の手で、手の甲側から親指を握って後ろに引いて10秒キープします ・つぎに手のひらを上にして腕を前に伸ばします ・手のひらを相手に見せるように手首を反らして10秒キープします これを3セット行います。手のしびれQ&A
手のしびれの原因でセルフチェックできるものはありますか?
手根管症候群、尺骨神経麻痺、胸郭出口症候群は簡単にセルフチェックすることができます。