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テニスで生じやすいスポーツ障害7選 | 接骨院がく整骨院/針灸整体院グループは日祝日も交通事故施術に対応

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テニスで生じやすいスポーツ障害7選

最終更新日 2022/5/18
接骨院がくグループ代表
柔道整復師 山田 学 監修

テニスは、サーブ、フォアハンドストローク、バックハンドストローク、ボレー、スマッシュなど、様々な形でボールを打ち返す動作があると同時に、コートを前後左右に広く駆け回る必要があるスポーツです。そのためテニスでは、肩・肘・手首・体幹・股関節・膝・足首と、様々な部分の高い能力が必要とされています。
今回の記事では、テニスで生じやすいスポーツ障害というテーマで解説していきます。

テニスで生じやすいスポーツ障害7選 もくじ

・サーブで生じやすい障害

・フォアハンドストロークで生じる痛み

・バックハンドストロークで生じる痛み

・ボレーやスマッシュで生じる痛み

・まとめ

サーブで生じやすい障害

テニスのサーブは、野球の投球動作と同じように考えられることが多い動作です。トスで頭上にあげたボールを打つ動作は、体が傾いているだけで、動きは投球動作と近い動きになっている部分が多いです。そのため、投球障害のような症状が肩に出ることが多いです。
肩関節に痛みが出る原因としては、腱板の損傷や肩関節の不安定性、関節唇損傷があげられます。それぞれ解説していきます。

・腱板損傷

腱板は上腕骨の頭が、肩甲骨にしっかりとくっついていられるように働く重要な筋肉です。サーブの動作の時に肩甲骨の動きが不十分だったり、体幹の回旋動作が硬かったり、足や体幹の筋力が無く、手に頼るようなサーブになっていたりすると、腱板に負担がかかり損傷します。
腱板が損傷すると、上腕骨の安定性が損なわれてしまいます。その結果、肩関節の可動域制限が出てきたり、筋出力が出なくなったりします。特に、サーブのインパクトの時には、腱板損傷があると上腕骨頭が後方に変位しやすく、後方の組織を傷つけてしまう可能性があります。

・肩関節不安定症

度重なる肩関節のストレスで、肩関節周囲の組織が伸ばされて不安定になってしまったり、腱板や関節唇の損傷が原因になる場合があります。また、元々関節が柔らかく脱臼しやすい傾向にある方は、上記で紹介した損傷などがなくても、不安定性が強い状態のため注意が必要になります。
肩関節の脱臼は前方にしやすく、肩関節が過剰に外旋方向(外へねじれる方向)へ動いてしまうことが原因で脱臼します。肩甲骨と上腕骨がバランスよく動かないと、上記の脱臼しやすい姿勢になりやすいため、サーブは全身をうまく使用するフォームを身につけることが必須になります。

・関節唇損傷

関節唇とは、上腕骨がはまっている肩甲骨関節窩という部分に、パッキンのように存在する組織です。
関節唇には上腕二頭筋(力コブの筋肉)の一部が付着しています。上腕骨頭が前方に押し出されるようなストレスがかかると、肩の近くを走行している上腕二頭筋の腱にも伸ばされ、結果として関節唇も引っ張られてしまいます。引っ張られる状況が続くと、関節唇は損傷する場合があります。
また、肩関節の脱臼に伴い、関節唇の損傷をすることもあります。

フォアハンドストロークで生じる痛み

フォアハンドストロークでは、手首に負担がかかる場合があります。負担がかかる組織は、主に手首を曲げる筋肉です。手首の筋肉に負担がかかり続けた結果、腱鞘炎になる場合が考えられます。
腱鞘炎がなぜ起きてしまうのか、解説していきます。

・手関節の腱鞘炎

手首に限らず、筋肉は腱に移行し骨に付着します。腱の周りにはトンネルがあり、腱を保護しています。このトンネルのことを腱鞘といい、腱と腱鞘の間の摩擦が増え、炎症が生じることを腱鞘炎と言います。
テニスでは、フォアハンドストロークの時に手関節を曲げる筋肉を多く使います。特に、相手のボールが早く振り遅れてしまった時や、コートの深いところまで撃ち込まれてしまい、移動が遅くなった時に、ボールを打ち返す動作で負担が強くなると言われています。
上記のシチュエーションになると、手首の筋肉を十分に働かせてからボールへのインパクトを迎えることができません。そのため、インパクトを迎えた時に、手首を曲げる筋肉には伸ばされるストレスがかかってしまいます。
この他にも、そもそも手首の筋力が弱い場合や、オーバーユースなども原因として考えられます。

バックハンドストロークで生じる痛み

バックハンドストロークでは、手首を反す筋肉に負担がかかってきます。フォアハンドストロークと同様に、振り遅れると手首に対する負担が増加します。そのため、手首へのストレスを軽減させるためにも、バックハンドストロークを打つ時には、早めにボールの落下予測地点まで移動し、テイクバックをして準備をすることが大事になってきます。
またバックハンドボレーなど、自分の体から打点が離れると、肘にもストレスがかかってきます。

・上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

上腕骨外側上顆炎は、いわゆるテニス肘と言われる疾患です。肘の外側に痛みが生じることが特徴です。肘の外側には、手首を反す筋肉(手関節背屈筋群)が付着しています。これらの筋肉に負担がかかることにより、付着部である肘の外側に痛みを生じるようになります。
原因としては、振り遅れが主な原因として考えられています。バックハンドストロークでの振り遅れ以外にも、早いサーブを打とうとしている時や、スイートスポットを外したレシーブばかりするような場合にも発症する可能性があります。

ボレーやスマッシュで生じる痛み

ボレーやスマッシュは、ネット側でのプレーになることが多く、相手が高い球を打ち返してくると、後ろに下がりながら返球をしなければならないこともあります。このようなプレーでは、ふくらはぎや、ももの裏のハムストリングスに負担がかかりやすいとされています。このように負担がかかりやすい状態では、ふくらはぎやハムストリングスの肉離れや、アキレス腱断裂を発症しやすくなります。

・肉離れ

肉離れは、筋肉に対して伸ばされる負荷と強い収縮が同時に起こることにより、筋肉の繊維が切れてしまう状態のことを言います。
筋肉には血流が豊富なので、筋肉内で出血が起こります。そのため、痛みが強く足をつけないことも考えられます。
体が硬い人に生じやすく、筋肉が修復されていくと徐々に負荷をかけられるようになります。しかし、動けるようになってきても、肉離れが起きたところに過剰に伸ばされる感じがあったり、反対側と比べて硬い状態の場合は、まだ完治していないことが考えられるため、負荷のかかる動作は行わない方が良いとされています。

・アキレス腱断裂

肉離れが生じるようなシチュエーションで、アキレス腱断裂も生じます。中年の方に多いとされています。体が硬いことも原因として考えられていますが、加齢によりアキレス腱の強度が落ちるので、断裂しやすくなるとも言われています。
アキレス腱が切れた時には、痛みはそれほど見られず、踵を誰かに蹴られたような感じがするとか、ボールが当たったような感じがするなどの表現が一般的です。
アキレス腱が切れてしまった場合には、手術で縫合する方法やギプスでしばらく固定をして治す方法などがあります。いずれの場合も、スポーツに復帰するまでには数ヶ月間を要します。

まとめ

今回は、テニスで生じやすいスポーツ障害7選ということで解説してきました。
サーブで生じやすい障害は、投球障害と動作が似ていることもあり、生じる障害も同じものが多いです。腱板損傷、肩関節不安定症、関節唇損傷、どれも野球で生じる障害と共通します。投球と同様に、サーブも肩甲骨の可動性や、全身の使い方が重要になります。手打ちにならないように、全身をしっかりと使うことが、障害が起きにくくするコツと考えることができるでしょう。
フォアハンド・バックハンドストロークで生じる障害は、手首や肘に関するものがありました。ストロークの障害は主に振り遅れによる、手首の準備不足が原因で筋肉に負担がかかり、腱鞘炎やテニス肘に移行してしまう可能性を指摘しました。障害を予防するコツは、振り遅れにならないように、ボールに対して早く反応して移動することです。俊敏性やダッシュする能力が求められます。手首の腱鞘炎になったからと言って、手首の筋肉ばかり鍛えていても根本的な解決にならない可能性もあります。
最後にボレーやスマッシュでの障害についても解説しました。ボレーやスマッシュでは肉離れやアキレス腱断裂が生じる可能性を指摘しました。後方に下がりながらのジャンプ動作や着地動作で、ふくらはぎやハムストリングスに大きな負荷がかかります。まずは、このような状況にならないように、しっかりと足を使い、落下地点まで移動することが必要になります。
全身あらゆるところに障害が出やすい競技ですが、全身をしっかりと使って、一部の部位へ負担がかかりすぎないようにすることが、障害を予防することができる戦略だと思います。一部の部位だけトレーニングするのではなく、あらゆる場面を想定し、様々な運動を組み合わせてトレーニングを行なっていきましょう。