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サッカーで生じやすいスポーツ障害5選 | 接骨院がく整骨院/針灸整体院グループは日祝日も交通事故施術に対応

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サッカーで生じやすいスポーツ障害5選

最終更新日 2022/5/19
接骨院がくグループ代表
柔道整復師 山田 学 監修

サッカーでは、キック動作に特有のスポーツ障害が出やすい傾向にあります。キック動作は足だけでなく、腰や手、頸部など全身の可動性が必要になります。
また、柔軟性だけでなく、体力的にも高いものが必要とされる競技でもあります。サッカーの1試合では、約9〜10kmほど走るだけの体力が求められます。さらに、全国大会のような大きな試合になってくると、マルチボールシステムが採用されることから、ボールがフィールドの外に出てしまっても、すぐに試合が再開されるようになっています。そのため、サッカーは、疲労しにくい強靭な体力と、全身の高いパフォーマンスが必要になる競技ということができます。そのため、疲労しやすい状態や、体が硬い状態プレーをすると、怪我をしやすいと考えられます。
今回の記事では、サッカーで生じやすいスポーツ障害を5つに絞り解説していきます。

サッカーで生じやすいスポーツ障害5選 もくじ

・キックに関連するスポーツ障害

・腰椎分離症

・鼠蹊部痛症候群

・第5中足骨疲労骨折(Jones骨折)

・足関節前方インピンジメント(衝突性外骨腫)

・足関節後方インピンジメント(有痛性三角骨)

・まとめ

キックに関連するスポーツ障害

強いキックでは、骨盤の回旋動作や、股関節の柔軟性、膝や足首の可動性など蹴り足の要素が重要になってきます。可動性が低い部分があると、それ以外の部位が過剰に動かなければならない状態になり、過負荷となり機能が破綻してきます。それに伴い、骨に影響が出てきてしまったり、痛みにつながったりします。また、蹴り足だけでなく、軸足の安定性低下も影響を及ぼします。軸足の安定性が低下すると、蹴り足の股関節や膝関節への負担の増加になります。また、可動性が低下している関節があると、キック動作での力の伝達がうまくいかず、パワーの低下やキック動作に関する障害が出やすくなります。

腰椎分離症

サッカーのキックに関連して、腰に負担がかかった結果、腰の骨が疲労骨折してしまう場合があります。
腰椎分離症とは、腰骨の椎弓という部位に対して過剰なストレスがかかり、疲労骨折してしまう病態です。初期の頃に治療を開始し、適切な固定期間を得ることができれば、骨が癒合する可能性は高く、競技へ復帰できる可能性も高いです。しかし、腰椎分離症と気づかずプレーを続けてしまうと、偽関節(本来関節ではないところに、骨折が原因で関節のようになる)となり、骨が癒合しない状態になることも考えられます。このような状態になると、手術が必要になり、場合によっては骨移殖を行わなければいけない場合もあります。
骨折してしまう部分の近くには、足に続く神経が通っており、骨折が原因で神経を刺激するような状態になってしまうと、足の痺れや痛みが出現してきます。後遺症が残る可能性もありますので、しっかりと診断してもらい、適切な治療を早期に開始することが必要になります。
キック動作で、腰に負担がかかってしまう原因としては、各所の関節の硬さが考えられています。股関節が硬い状態だと、蹴り足のバックスイングにて腰の反り返りが出現しやすくなり、腰椎に過剰にストレスがかかります。同様の理由から、腰椎の上にある胸椎の伸展・回旋の可動性、肩甲骨の可動性の低下によっても腰椎へのストレスが増えてしまうことが考えられます。キック動作に関与する部分は多く、全身的な柔軟性の向上が求められます。

鼠蹊部痛症候群

サッカー選手に特有の症候群で、サッカーを競技レベルで経験している人であれば、多くの人に経験があるものではないでしょうか。
サッカーでは、キック動作の他にも、ダッシュや切り返しの動作が多く求められます。また、インサイドキックやインフロントキックでは、内転筋に負担がかかりやすく、骨盤周りにも影響が出てきます。これらの要素が原因となり、鼠蹊部に痛みを生じるようになります。痛みの原因は、内転筋の損傷や炎症の場合が考えられますが、慢性化していると炎症や損傷と痛みの関連性が不明確になってしまうこともあり、全身的な機能から鼠蹊部に対して負担をかけている原因を探っていく必要が出てきます。
鼠蹊部痛の治療としては、股関節の可動性をよくすることが必要になってきます。可動性をよくすることにより、筋肉や筋肉の付着部へのストレスを軽減し、痛みを生じにくくする作用があります。
また、柔軟性だけでなく股関節の安定性も必要になってきます。股関節周りにある筋肉のトレーニングを行なっていき、ダッシュやキック動作時の安定性を向上させていきます。股関節の安定性が向上することにより、キック動作でも力が伝わりやすくなり、鼠蹊部へのストレスを軽減できる可能性があります。また、股関節だけではなく、体幹の安定性も重要になるため、体幹トレーニングも必要になります。

第5中足骨疲労骨折(Jones骨折)

足の小指の疲労骨折のことを指します。サッカーでは、急激なダッシュや切り返し、サイドステップやキック動作など、足の外側に対して大きな力が加わる場面が多くみられます。
疲労骨折が起こりやすい部位は、血流の観点から、骨がくっつきにくいとされています。そのため、早期に発見して適切な治療を開始する必要があります。
初期症状としては、第5中足骨を押した時の痛みや踏み込んだ時の痛み、ターンをした時の痛みなどが挙げられます。
第5中足骨骨折は、早期に発見できた症例以外、治療期間が長引く可能性があります。骨をくっつけるまでに、時間がかかる傾向があります。基本的には、数週間荷重を避けるような生活になります。そのため、荷重をかけない期間で筋力が低下してしまい、パフォーマンスが低下してしまいます。症状が進行すると、手術も検討されるものになります。少しでも疑わしい場合には、早期の診察が必要なので、疑わしい場合には受診をしてしまいましょう。

足関節前方インピンジメント(衝突性外骨腫)

足関節には、外くるぶしと内くるぶしの間に、距骨という骨があります。距骨は、足首の反り(背屈)の時に、大きく動きます。足首の捻挫を過去に経験していたり、激しいストップ動作やジャンプ動作などを繰り返し行なっていたりすると、足首の前に組織が挟み込まれるようなストレスがかかります。すると、距骨の前方に骨棘という過剰な骨が生じてきてしまい、足首の可動時に骨棘が当たったり、骨棘自体が骨折してしまったりすると痛みが生じてしまいます。
足首の捻挫やストップ動作以外にも、サッカーによるキック動作で、足首の前に過剰に伸ばされるストレスがかかり、骨の変形につながるケースも見られるようです。
足関節前方インピンジメントは、足首の不安定性があることが原因の場合があります。そのため、足首の安定性を上げるために、テーピングやサポーターを利用してみたり、足首周りの筋肉のトレーニングをしてみたりする必要があります。また、足首以外にも股関節レベルでの筋力が弱いことが原因で、しっかりとストップ動作や着地動作ができず、足首に負担がかかっているケースもあります。そのため、足首以外にも多くの場所の筋力トレーニングが必要になる場合もあります。

足関節後方インピンジメント(有痛性三角骨)

足首にある距骨の後方には、三角骨と呼ばれる骨が存在する人が一定数います。多くの場合は無症状ですが、足首を爪先立ちになるような形(足関節の底屈)で多用する人は、足首の後方が痛くなることがあります。痛みが出る原因としては、足首の後方で関節を包む袋(関節包) や、三角骨自体が挟まれることにより炎症が生じます。繰り返しストレスがかかってしまうと、距骨の後方に骨棘ができることもあります。
サッカーでは、キック動作の時に足首に対し過剰に底屈するストレスがかかってしまいます。また、キック動作以外で、ジャンプ動作が多い競技でも、足関節後方インピンジメントを発症する場合があります。

まとめ

今回の記事では、サッカーで生じやすいスポーツ障害5選について解説してきました。
サッカーは、非常に体力を必要とする競技の一つです。競技に必要な動作は、ダッシュや切り返し、キック動作やジャンプなど多岐に渡ります。今回ご紹介したスポーツ障害は、足の障害が多いですが、体幹機能や上半身を捻る能力など、柔軟性や協調性も必要になります。体力づくりと合わせて、上半身の柔軟や使い方の学習などを進めていき、怪我をしない体づくりをしていきましょう。