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ルーズショルダーについて解説!肩関節の不安定性と症状とは? | 接骨院がく整骨院/針灸整体院グループは日祝日も交通事故施術に対応

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ルーズショルダーについて解説!
肩関節の不安定性と症状とは?

最終更新日 2022/04/15
接骨院がくグループ代表
柔道整復師 山田 学 監修

肩を上げる時に音がする、なんとなく肩が不安定な感じがしている、肩が緩くなっている状態が続いているなど、お困りの方はいませんか?これらの症状がある人は、肩関節が不安定な状態になっている可能性があります。これらの不安定な症状を、ルーズショルダー(肩関節不安定症)と呼びます。今回の記事では、ルーズショルダーについて解説していきます。

ルーズショルダーについて解説!肩関節の不安定性と症状とは? もくじ

ルーズショルダーとは?
・怪我をきっかけとする場合
・怪我をしていないが不安定な場合
ルーズショルダーの症状とは?
・肩に牽引ストレスがかった時の症状
・肩に牽引ストレスがかった時に症状が出る場合は?
・肩を動かした時の症状
・肩を動かした時に症状が出る場合は?
ルーズショルダーの治療について

まとめ

ルーズショルダーとは?

ルーズショルダーとは、肩関節の脱臼や亜脱臼(脱臼するほどではないが、脱臼しかけている状態)、肩関節の不安定が続いており、何回もこれらの症状が出るような状態とされています。主に、怪我をきっかけに肩が不安定になる場合と、怪我などがなくても不安定な場合に分けられます。

怪我をきっかけとする場合


転倒や事故などの怪我をきっかけとして、肩関節を痛めている場合が該当します。怪我によって、肩関節の安定に関わる組織を損傷してしまい、肩関節が構造的に緩んでしまう状態です。怪我をきっかけとして肩関節が緩くなった場合、多くの例で、特定の位置で脱臼しそうな感覚になったり、実際に脱臼してしまったりします。構造的に弱点になる部分ができてしまうので、脱臼しやすい肩になってしまいます。
ここで言う怪我とは、転倒や引っ張られるストレス、投球障害などが考えられます。怪我により肩の前方にストレスがかかることが原因で、前方に脱臼することが多いとされています。前方以外にも、後方や下方にも脱臼する方がいます。
怪我により損傷する組織は、肩関節周りの靭帯や、関節唇という肩の周りについているパッキンのような組織を損傷する場合が多いです。
関節唇を損傷すると、関節の受け皿の壁が一部なくなってしまうようなイメージで、脱臼しやすくなってしまいます。また、肩の結合部分は陰圧(吸いつくような圧)になっていますが、組織の損傷をきっかけに陰圧が低下してしまうため、不安定性が生じるとされています。

怪我をしていないが不安定な場合


怪我をきっかけとしていなく、明らかに肩の組織を傷つけた可能性は低いにもかかわらず、肩関節が不安定な状態のことを指します。中には、自分で脱臼をさせることができるほど、肩関節が緩くなってしまっている人もいます。
怪我をしていない場合の不安定性は、明らかな神経や筋肉の病気をしている場合は除外して考えられています。
怪我をしていない場合は、肩の使いすぎや、過剰なストレッチなどが原因で、不安定性を生じる場合があります。脱臼の方向としては、後方への脱臼や下方への脱臼が多いとされています。
自分で脱臼させられる場合は、心の問題が肩の脱臼として現れている場合もあるので、心の問題なども含めて検討が必要になります。

ルーズショルダーの症状とは?

ルーズショルダーの症状は、肩関節の不安定性に伴って様々な症状が出現します。

肩に牽引ストレスがかった時の症状


例えば、重たい荷物を持った時に、肩関節には下方向に牽引されるストレスがかかります。通常であれば、肩関節の構造的な強さや肩関節周りの筋力によって、牽引されるストレスに勝つことができ、肩は安定した状態を保つことができます。しかし、不安定性がある場合には、牽引されるストレスに勝つことができず、肩甲骨と上腕骨が離れてしまうストレスがかかります。肩甲骨と上腕骨が離れてしまうことにより、関節の不安定感や腕への痺れ、肩の痛みなどが出現してきてしまいます。

肩に牽引ストレスがかった時に症状が出る場合は?

上記のような症状がある場合には、肩甲骨の位置関係や肩甲骨に関与する筋力の低下が原因である可能性があります。
肩が下がっているような姿勢になってしまうと、肩関節は牽引されるストレスに弱くなってしまう傾向にあります。そのため、重たい荷物などを持った時に肩が下がってしまう場合には、肩関節を痛めやすいと考えられます。このような時は、肩甲骨周りの筋肉を鍛えたり、肩が下がらないように姿勢を整えたりする必要があります。

肩を動かした時の症状

肩に不安定性がある場合には、肩を動かした時にも症状が出る場合があります。症状は、肩を動かした時の不安定感、範囲が狭い痛みが出る可能性があります。
肩を動かす時には、肩甲骨や上腕骨がバランスよく動いています。そのため、この動きのバランスが崩れると、肩関節にストレスがかかるようになってしまいます。これらのストレスが蓄積していくことにより、肩の組織に炎症が生じてしまい、痛みにつながります。
肩の動きには様々な場所が密接に関与しており、肩甲骨と上腕骨だけ動きがよければ良いわけではありません。鎖骨の動きや猫背かどうか(胸椎の角度)なども、肩の動きに関与してきます。さらにお尻周りなど、足の筋力の影響を受けてしまうこともあるため、様々な角度での精査が必要になる場合があります。

肩を動かした時に症状が出る場合は?

肩を動かした時に症状が出る場合は、肩甲骨と上腕骨の動きがうまく噛み合っていないことが原因と考えられます。肩甲骨と上腕骨は密接な関係で動いています。例えば、バンザイする時に、腕を下垂した位置から30度までは肩甲骨は動きません。30度以上、腕が上がると、肩関節の動きと肩甲骨の動きは2:1の割合で、動くとされています。
肩関節が動いた時に痛みが出る場合には、この肩関節の動きと肩甲骨の動きの割合が崩れている場合が多いです。肩甲骨の動きが過剰に小さくなってしまっていたり、運動開始初期から、肩甲骨が過剰に動いてしまったりします。

ルーズショルダーの治療について

ルーズショルダーの原因は様々なものがあります。そのため、治療の第一歩は原因を正確に把握することです。ちまたで言われている自分でできる治療法を行っても、肩の不安定性を完全に修正することはできないかもしれません。解剖学的に損傷している部分があれば、手術などで直さなければいけませんし、関節の構造的には問題がなく、姿勢が原因であれば姿勢を治さなければいけません。筋肉が原因だと思って筋力強化をしていても、実は筋肉が断裂していたとなれば、筋力強化は逆効果になります。
最近は様々な情報が出ていますが、どの治療法があなたに合うか、しっかりと診断してみないとわかりません。そのため、肩の不安定性を感じていたり、肩に痛みが出たりしているような人は、なるべく早く専門家に見てもらう必要があります。
当院でも肩の専門医と提携しておりますので、肩の状態を確認しながら施術を行うことができます。

まとめ

今回は、ルーズショルダーについて、解説してきました。ルーズショルダーは、怪我をすることが原因のものと、怪我をしていなくて不安定になる場合の両方の可能性があります。
怪我をきっかけとする場合には、肩関節の構造上、何かしらの損傷をしている可能性があり、損傷を受けている場所にストレスがかかると脱臼してしまったり、肩の不安定感の症状が出たりする可能性がありました。
怪我をしていない場合は、肩の使いすぎや過剰なストレッチが原因として考えられます。それ以外にも、心の問題が隠れていることがあるため注意が必要です。
ルーズショルダーの症状についても解説しました。肩に牽引ストレスがかかる場合には、肩甲骨の位置関係が問題になることが多いとされています。特に肩が下がる姿勢になってしまうと、肩にストレスがかかりやすいため注意が必要です。
肩を動かした時に症状が出る場合には、肩甲骨と上腕骨がうまく噛み合って動いていない可能性があります。肩甲骨の動きが過剰に出現していたり、過剰に小さくなっていたりしないかチェックする必要があります。
肩関節の動きは、なかなか自分では確認しづらく、構造的にも複雑で、様々な要素が絡み合うため治療が難しい部位です。様々な情報があるからこそ、自分に合わない治療法を採択して症状を悪化させてしまうこともあります。肩に不安定性を感じる場合には、早めに専門家を受診して、まずはしっかりと原因を探り、治療を開始していきましょう。

参考文献
高村 隆、肩関節不安定症(SLAP損傷も含む)の病態と機能障害、肩関節機能障害 何を考え、どう対処するか、2012、p154〜160
千葉 慎一、不安定性へのアプローチの進め方、肩関節機能障害 何を考え、どう対処するか、2012、p51〜56