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梨状筋症候群とは?原因や治療法を解説 | 接骨院がく整骨院/針灸整体院グループは日祝日も交通事故施術に対応

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梨状筋症候群とは?原因や治療法を解説

最終更新日 2023/2/1
接骨院がくグループ代表
柔道整復師 山田 学 監修

長時間座っていると、お尻や太もものうしろに痛みや痺れが生じることはありませんか?身体を動かすと痛みが和らぐ場合もあり、たいしたことがないだろうと感じる方もいるかもしれません。そのような症状を呈する疾患として、梨状筋症候群が挙げられます。この記事では、梨状筋症候群の原因や治療法、予防法などについて解説します。

梨状筋症候群とは?原因や治療法を解説 もくじ

・梨状筋とは?

・梨状筋症候群とは?

・梨状筋症候群の原因

・梨状筋症候群の症状

・梨状筋症候群の診断方法

・梨状筋症候群の治療法

・梨状筋症候群の予防方法

・まとめ

梨状筋とは?

梨状筋とは、お尻の奥、坐骨神経のすぐそばにある筋肉です。股関節の動きに関わる筋肉で、梨状筋はつま先を外側に向けるような動きをするときにはたらきます。梨状筋はあまり大きくない筋肉ですが、股関節を動かすための重要な役割を担う筋肉であり、負担がかかりすぎてしまうこともあります。

梨状筋症候群とは?

梨状筋は、腰からの神経がまとまった太い神経である坐骨神経の近くにある筋肉です。何らかの原因で梨状筋の緊張が高まって硬くなると、坐骨神経を圧迫して痛みや痺れが生じた状態を梨状筋症候群と言います。梨状筋は坐骨神経のすぐ近くを通り、さらに人によっては坐骨神経の走行により梨状筋症候群を発症しやすくなっていることもあります。坐骨神経が梨状筋の下をくぐる場合や梨状筋の上を通る場合、さらには坐骨神経の一部が梨状筋の間を貫いている人もいます。梨状筋と坐骨神経が近いほど梨状筋症候群を引き起こす可能性も高くなります。

梨状筋症候群の原因

梨状筋症候群を引き起こす原因として、梨状筋の使いすぎが挙げられます。梨状筋は股関節を回旋する動きに関わる筋肉であり、ゴルフなどの身体を捻る動きや、中腰での作業で梨状筋に負担がかかり、梨状筋の緊張が高くなってしまいます。長時間の運転やデスクワークなどで身体を動かす機会が減ることで梨状筋の柔軟性が低下することも、梨状筋症候群の原因となります。
また、交通事故も梨状筋症候群の原因として挙げられます。交通事故の際にお尻を強く打ったり、股関節を傷めたりしてしまうことで坐骨神経が圧迫されてしまうことがあります。
梨状筋症候群では原因が思い当たる場合もありますが、原因がはっきりしない場合や、元々坐骨神経が圧迫されやすい性質の方もいます。

梨状筋症候群の症状

お尻の外側あたりの痛みや、太ももの裏側に痺れが出ることが多いです。長時間同じ姿勢でいると症状が強くなり、歩いていると症状が楽になる場合もあります。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などと同様に、歩いていると痛みや痺れが生じ、休憩すると症状が改善する間欠性跛行が生じることもあります。また、中腰の姿勢で痛みや痺れが強くなることがあり、ひどい場合には家事や仕事などの日常生活に影響が生じてしまいます。
さらに、坐骨神経は足先に向かって分岐し、ふくらはぎや足首の運動や感覚を支配する神経です。梨状筋症候群により坐骨神経が圧迫されることで、その先の神経が障害されることがあります。その結果、触られた感覚が鈍くなったり、痺れが生じたり、つま先を持ち上げにくくなってつまずきやすくなったりするなどの合併症を呈することもあります。

梨状筋症候群の診断方法

筋肉が硬くなっている様子を画像で確認することは困難であるため、レントゲンやMRIの画像では見つけることはできません。しかし、梨状筋症候群と同様の症状を引き起こす疾患には椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などがあり、それらの疾患がないか診断するためにレントゲンやMRIを用いることがあります。
梨状筋症候群の診断は、問診や触診により行われます。梨状筋はお尻の筋肉の中でも深いところにあるため、表面から触っただけでは通常は触れることができません。しかし、梨状筋症候群により梨状筋が硬くなっていると、お尻の外側あたりを触るとコリコリとした感触があり、圧迫されると同時に痛みを伴います。このように触診したり、実際に股関節を動かしたときの痛みの状態を診たり、日常生活での痛みが出る場面などを問診したりして、梨状筋症候群であるかどうかを診断します。

梨状筋症候群の治療法

梨状筋症候群に対して行われる治療について解説します。

保存療法

梨状筋症候群の治療には、まず保存療法が選択されます。痛み止めの内服や湿布の使用、症状が強い場合には皮膚の上から梨状筋に直接麻酔剤を注射するブロック注射が行われることもあります。また、リハビリテーションとして、梨状筋の緊張を和らげるためのストレッチやマッサージなどが行われることもあります。

手術療法

ブロック注射やリハビリテーションの効果が不十分だった場合には、手術が選択されることもあります。手術では主に、梨状筋切開術が選択されます。この手術では、梨状筋が坐骨神経を圧迫している部分を切開し、坐骨神経に加わる圧を軽減します。場合によっては、坐骨神経を圧迫している他の筋肉も切開することがあります。手術は局所麻酔で行われ、入院期間は1~2週間程度が目安です。

梨状筋症候群の予防方法

梨状筋症候群を予防するために、日常生活でもできる対策を紹介します。

中腰での作業を避ける

床から重いものを持ち上げたり、中腰で長時間作業をしたりすると、腰や股関節に負担がかかってしまいます。その結果、梨状筋症候群だけでなく腰椎圧迫骨折や椎間板ヘルニア、ぎっくり腰などを引き起こす可能性が高くなってしまいます。床から重いものを持ち上げるときには、腰の曲げ伸ばしではなく、膝の屈伸を利用して持ち上げることが大切です。腰に負担がかかりやすい仕事をしている方は、コルセットを着用するのもおすすめです。

筋肉の使い過ぎに気を付ける

梨状筋は比較的小さい筋肉なので、使い過ぎによる負担がかかりやすい筋肉です。特に、ゴルフや野球のスイングなど、腰を捻る動作の多いスポーツでは、やり過ぎに注意が必要です。筋肉痛が何日も続いたり、筋肉痛がひどかったりする場合には、使い過ぎであると言えます。無理のない範囲でスポーツを楽しみしょう。

長時間同じ姿勢でいるのを避ける

長時間の運転やデスクワークなどにより、長時間同じ姿勢でいると筋肉が硬くなりやすく、腰痛の原因にもなってしまいます。1時間に1回程度、立ち上がって歩いたり、全身をほぐすストレッチを行ったりことが大切です。また、腰痛を予防するクッションなどを活用して腰への負担を減らすのもおすすめです。

ストレッチをする

長時間のデスクワークにより梨状筋が硬くなりやすい方におすすめの、簡単にできる梨状筋のストレッチを紹介します。
座った状態で片方の足を反対の膝の上に乗せ、あぐらをかくように股関節を開きます。背筋は伸ばしたまま、上半身を足に近付けるように腰から上半身を前傾させます。お尻から太ももにかけての外側が伸びているような感じがすれば、梨状筋に効いている証拠です。
その他にも、前屈や開脚などを行い下半身の柔軟性を高めることで、梨状筋症候群の予防だけでなく、腰痛や他のケガの予防にも繋がります。

まとめ

梨状筋症候群の概要や治療法、予防法について解説しました。急激に悪化することは稀であるので、「年のせい」「たいしたことじゃない」と思われがちですが、ひどい場合には日常生活に影響が出てしまうこともあります。少しでも違和感があった場合には、専門家の診察を受けることが大切です。

参考文献
松本正知、加藤明、他:梨状筋症候群に対する運動療法の試み、2003
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/30/5/30_KJ00001019793/_article/-char/ja/
服部潤、赤羽根良和、他:梨状筋症候群における神経症状の割合について、2012
https://www.jstage.jst.go.jp/article/thpt/28/0/28_130_2/_article/-char/ja/