むちうちで
不当な打ち切りにならない方法
最終更新日 2021/08/28
接骨院がくグループ代表
柔道整復師 山田 学 監修
交通事故のケガは一般的な健康保険を使ったケガと異なり、整形外科、整骨院、患者さんだけでなく、保険会社が加わり、話し合いながら治療を進めていきます。
それぞれの立場や考え方が異なるため、対応を間違わないで行わないと早い段階で交通事故の保険が打ち切りになってしまうというようなこともおこります。
交通事故にあい、痛みやしびれにお困りの方が、まだ治療の必要があるのに交通事故の保険で打ち切りにならないように順を追って説明していきます。
むちうちで不当な打ち切りにならない方法 もくじ
・交通事故治療のゴール設定
・症状固定とは?
・どんな表現だと打ち切りになりにくい?
・打ち切り時期と判断されてしまう通院回数について
・まとめ
・交通事故治療のゴールはどこ?
もちろん治癒(すっかり回復)することがゴールなのですが交通事故の場合は体へとても強い力が加わるため、
治りきらない場合も考え、『症状固定』というゴールを設定されることがあります。
保険会社から電話で『症状固定なので治療を打ち切りたい』などといわれる場合もあります。
つまり、交通事故の治療のゴールは
・すっかり良くなった『治癒』の状態
・症状が残るが、固定された『症状固定』の状態
この2つがゴールになります。
・症状固定とは?
これ以上治療を継続しても症状の改善の見込みがない状態に達した」と判断された段階のことをいいます。
具体的にどのような状態かというと
治療を受けると一時的には痛みやしびれが緩和されるがまたすぐに戻ってしまい、これが繰り返されている状態のことをいいます。
多少の上下を繰り返しても月ごとに良くなる傾向が見られれば症状固定にはまだ達していないと考えられ治療を継続する理由になります。
『参考情報: 後遺障害等級NAVI 重要なポイントとなる「症状固定」とは?』≫≫
どんな表現だと打ち切りになりにくい?
患者さんが『治療を受けた時はいいけれどまた戻ってしまう』などと表現すると症状固定時期に達してしまっているのではないかと思われてしまいます。
本当に症状固定時期であれば、それでもよいのですが
そうでない場合は
上記のような表現は患者さん自身が言いやすい言葉であるために、症状固定時期ではないのに治療を早く打ち切りになってしまう原因にもなるため注意が必要です。
大切なことは患者さん自身でも体の痛みをひと月ごとに振り返り、どんなところが良くなって、まだどんな症状が残っているのかを確認することです。
具体的には『この症状は良くなったけど、ここの痛みはまだ残っています。』『今日の1番つらい症状はここで、2番目につらい症状はここです』
※なるべく『症状が戻ってしまう』などの表現は使わない方が無難です。
そのようなことを整形外科や整骨院の先生にはっきり自分の言葉で話してみてください。
対応に慣れた先生であればその症状をカルテや保険会社に毎月送る施術証明書に書きとめて、保険会社に送ってくれます。
・ポイント!
① 治療しても痛みが繰り返しているでは症状固定と判断されやすい
② 自分自身でもひと月ごとに痛みを振り返る(今月はどこが良くなっていて、どんな症状がまだ残っているか)
・打ち切り時期と判断されてしまう通院回数について
通院回数が極端に少ないと保険会社にもう良くなっているから通院してないのではないのかと思われて打ち切り時期と判断されてしまいます。
まだ症状固定時期ではないのであれば、そのことも踏まえて多少無理をしてでも通院する必要があります。
交通事故での治療は一度打ち切りになってしまうと治療費が全額患者さんの負担になってしまいます。
保険で治療できる期間にしっかり通院をして体を回復させていくことが大切です。
通院回数の目安は
その方の症状にもよりますが、症状の強いうちは続けて毎日、少しずつ良くなれば一日置き、二日置きと症状の回復に合わせて回数を減らしていく事がおすすめです。通院している院の先生とご相談して通院ペースを決めて通ってください。
一か月に数回程度では保険会社から打ち切りの連絡が患者さんの所に来てしまう可能性が高くなります。
もし来れない理由が明確な場合はその理由を先生に伝えて保険会社に先生が送る書類に書いてもらってください。
・まとめ
むちうちで不当な打ち切りにならない方法
・症状固定とはこれ以上治療を継続しても症状の改善の見込みがない状態のこと
・『治療を受けた時はいいけれどまた戻ってしまう』の表現に注意する
・体の状態を月に一回は振り返り、良くなった部位、残っている部位を先生にしっかり伝える
・治療回数は少なすぎると打ち切りの対象になる
この記事は交通事故で不当に症状固定になる方が減り、むちうちの症状にお悩みの方の回復のお役に立てればと思い作成いたしました。
その方の状況によって適した対応の仕方は様々ですが、この内容をぜひご参考にしていただき
治療を受ける院の整骨院や整形外科の先生、保険担当者とよくご相談のうえ、納得のいく治療を受けていただければ幸いです。