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股関節の痛みについて解説!股関節の構造と痛みが出やすい疾患4選

最終更新日 2021/10/13
接骨院がくグループ代表
柔道整復師 山田 学 監修

最近なんか足の付け根とか、お尻の辺りが痛いな。長時間立っていることも大変になってきたし。

足の爪を切ることも若干難しくなってきたかな。

これって悪いのは股関節かな?
そんな股関節の痛みや硬さでお悩みの方にお送りします。

股関節の痛みについて解説!
股関節の構造と痛みが出やすい疾患4選

股関節の解剖
 ・中臀筋
 ・大臀筋
股関節の痛みの原因
 ①変形性股関節症
  ・変形性股関節症の原因
 ②大腿骨頭壊死
 ③関節リウマチ
 ④臼蓋・大腿骨衝突症候群(FAI症候群)
  ・FAI症候群の原因
まとめ

・股関節の解剖

股関節は大腿骨の玉のようになっている「骨頭」と、骨盤のカップ「臼蓋」とで構成されている大きなしっかりとした関節です。骨盤の寛骨臼は骨頭の大部分を覆っており、安定性が高い関節です。股関節は、歩くだけでも体重の3〜4倍の負荷がかかる関節です。立ち仕事や歩行などの移動には、欠かすことができない重要な関節です。
股関節は動きが大きく、体重もかかる関節のため、強い安定性と広い可動性があります。そのため、股関節の周りには多くの筋肉があります。これらの筋肉について解説していきます。

・中臀筋

中臀筋とは、股関節の外側にある骨盤と大腿骨を結ぶ筋肉です。片足立ちの時に骨盤を安定させる筋肉です。中臀筋が弱いと、歩行時の骨盤の安定性が悪くなってしまいます。具体的には、体重を支えている側の中臀筋が弱いと、反対側の骨盤が下がってしまいます。このような歩行をトレンデレンブルグ歩行と言われます。
下記の文献では、トレンデレンブルグ歩行が出現する原因として、筋肉の瞬発力も必要であることを述べています。

参考情報:人工股関節置換術後の股関節外転筋・内転筋機能とトレンデレンブルグ徴候との関係について≫≫

・大臀筋

大臀筋はお尻の膨らみの筋肉です。よく「お尻が垂れる」とか、「お尻が四角くなってきた」などの表現がありますが、大臀筋の筋力低下が原因であることがほとんどです。
大臀筋は、歩行や立ち上がりなど日常生活の多くの場面で使われています。特に歩行では、体重を支える場面で多く使用されています。
下記の文献では、筋電図を用いてどれくらい歩行中に筋肉が使われているか確認されています。

参考情報:基本動作における大臀筋上部繊維と下部繊維の筋活動について≫≫

・股関節の痛みの原因

ここからは、股関節の痛みの原因になる代表的な疾患について触れていきます。

・変形性股関節症

変形性股関節症は、股関節を構成している骨の変形によって生じる疾患です。症状としては、ソ径部の痛みやお尻の深部に痛みが生じます。痛みの出始めは、長距離歩いた後に痛みが出たり、負担がかかった後に痛みが出てくることが多いですが、症状が進行してくると、そもそも痛みで立っていること自体が大変になってしまいます。
痛み以外にも、股関節の動きが硬くなってくるという症状も出てきます。初期には、しゃがみ込みができなかったり、靴下が履きにくかったりするなどの症状が出てきます。徐々に股関節の硬さが強くなってくると、きちんと綺麗な姿勢で座ることが難しくなってしまったり、歩く時に歩幅が小さくなってきてしまったりする症状が出てきます。股関節の動きが硬くなって困って障害されてしまう代表的な動作としては、爪切りや靴下を履く動作、靴を履く動作です。これらの動きは股関節の大きい可動域が必要となりますので、股関節が悪い人は、かなり困っている方が多いです。
股関節が変形してくると痛みが出たり、可動域制限が出たりすること以外にも、歩き方にも変化が現れてきます。股関節に変形が出てくると、足の付け根の動きが悪くなってきますので、歩く時に足の代わりに、骨盤や腰ごと動いてしまう歩き方になる方がいます。
悪い歩き方には、いくつかパターンがあります。骨盤・腰ごと動いてしまう歩き方の他に、体が傾くという歩き方になる場合もあります。通常であれば、片足立ちは体を傾けることなく行うことができます。しかし、股関節が悪くなってくると、痛みが原因だったり、股関節の構造的な変化が原因だったりするため、体を左右へ傾けないと体重を支えることが難しくなってしまいます。そのため、特に悪い方で荷重を受けた時に、外側に体が傾くことが多いです。

・変形性股関節症の原因

変形性股関節症の患者さんの多くは、女性の方です。男性の患者さんは全くいないのかというとそうではありませんが、圧倒的に女性が多いです。また、性差だけでなく、先天的な障害があったかどうかという点も、重要になってきます。先天的な障害とは、先天性股関節脱臼や股関節臼蓋形成不全のことを言います。先天性股関節脱臼とは、幼少期に股関節が脱臼してしまうことを言います。臼蓋形成不全は、骨頭を包んでいるカップの部分が浅くなってしまっている状況を言います。
また、先天的な障害だけではなく、もともと股関節の骨折をしている方や、何も股関節の障害がなくても、股関節が変形してきてしまう方もいます。

・大腿骨頭壊死

大腿骨頭壊死とは、股関節を構成している大腿骨の頭が壊死してしまう状態のことを言います。壊死してしまう原因としては、血流が少なくなってしまい、骨の組織が死んでしまうことが挙げられます。壊死した骨は、次第に潰れしまい、潰れた場合に痛みを感じます。壊死だけでは、痛みが出ない場合もあります。
大腿骨頭壊死の危険因子はわかってきており、ステロイド関連、アルコール関連のものが指摘されています。ステロイド関連では、色々な病気の治療のために使われるステロイドが危険因子とされていますが、医師が必要と認めて処方している薬ですので、大腿骨頭壊死が心配だからステロイドの服用をやめてしまうと、疾患に対して必要な治療を中断してしまうことになりますので、自分の判断だけでステロイドの服用をやめることは控えてください。
アルコール関連では、1日に日本酒換算で2合以上、毎日飲んでいることが危険因子になります。毎日晩酌をしており、ついつい飲み過ぎてしまう人は注意が必要と言えるでしょう。

・関節リウマチ

関節リウマチは、全身の関節に炎症が起きてしまう病気です。
全身の関節の中でも、股関節は障害されやすく、生活に支障が出やすい関節です。股関節が変形することは、変形性股関節症や大腿骨頭壊死と変わりはありませんが、原因が他とは異なります。関節リウマチの原因としては、患者さん自身の免疫機能と言われています。本来であれば、外部から侵入したばい菌を標的として反応する細胞が、自分の関節の細胞を標的としてしまいます。その結果、炎症性滑膜が増えてきてしまうことが原因で、骨の変形を起こします。歩き方などは、足の指の変形などの影響もあり、細かな違いはありますが、基本的には股関節が動きにくくなり、骨盤ごと動いてしまったり、歩く時に体が傾いてしまったりすることは、他の疾患と同様です。

・臼蓋・大腿骨衝突症候群(FAI症候群)

臼蓋・大腿骨衝突症候群(以下、FAI症候群)は、股関節をよく使うスポーツ選手に多い障害です。サッカーを行なっている方からすると身近な疾患ではないでしょうか。
FAI症候群は、足の付け根で臼蓋と大腿骨が接触することにより、接触部位の骨が変形したり、軟骨や関節唇が損傷したりします。これにより、ソ径部に痛みが出てしまいます。

・FAI症候群の原因

FAI症候群の原因としては、臼蓋の形状異常、大腿骨の形状異常、臼蓋と大腿骨両方の形状異常の3タイプに分類されます。
治療方法としては、リハビリと手術の2つがあります。リハビリだけでも、痛みが改善する場合もあります。骨の変形や、軟骨の損傷がひどく、リハビリだけでは治療が困難と判断された場合には、手術に至ります。

・まとめ

今回は、股関節の痛みについて解説してきました。その上で、代表的な疾患を4つ紹介しました。冒頭の解剖の部分でも触れましたが、股関節は体重の3〜4倍の負荷がかかる大変重要な関節です。筋力が落ちてしまうと、歩き方が格好悪くなってしまうこともありますので、股関節の筋力を落とさないことが重要になります。股関節は、痛みが重度になってしまうと、手術をしなければいけなくなるほど悪くなってしまう関節です。軽い痛みでも軽視しないようにし、どのようなことが原因で痛みにつながっているのかを、しっかりと見てもらう必要があります。痛みが出たら、早いうちに専門家に見てもらいましょう。