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その肩の痛み放置したら危険!肩関節周囲炎の病態と治療法をご紹介

最終更新日 2022/8/18
接骨院がくグループ代表
柔道整復師 山田 学 監修

最近肩に痛みを感じることがありませんか?その痛みは、もしかしたら肩関節周囲炎(五十肩)かもしれません。肩関節周囲炎は、放置してしまうと肩周囲の筋肉が硬くなり、腕が挙がらなくなる可能性があります。しかし、しっかりとした治療を行えば早期に機能が回復していく可能性は充分あります。

そこで今回は、肩関節周囲炎の病態や原因、そして治療法をご紹介していきます。この記事を読めば、あなたの肩の悩みが解決するかもしれません。

その肩の痛み放置したら危険!肩関節周囲炎の病態と治療法をご紹介 もくじ

・肩関節周囲炎とは?

・発生原因

・肩関節周囲炎の症状

・治療方法

・まとめ

肩関節周囲炎とは?

肩関節周囲炎とは、40歳以降に発生する肩関節の硬さと痛みを主症状とする機能障害のことです。日本では「五十肩」という名称で一般的に浸透しています。
何らかの原因で肩関節に存在する筋肉や靱帯、関節包などに炎症が起こり、痛みが生じます。そのまま放置してしまうと、筋肉が硬くなる拘縮というものを引き起こし、症状が遷延することが多いです。そのため、早期の診断・治療が重要となります。

肩関節周囲炎は、急性期、拘縮期、寛解期と3つの病期に分けられます。

・急性期

組織損傷や炎症を起こしており、著しい痛みにより可動域制限や筋力低下を引き起こします。安静にしていても生じる「安静時痛」、寝ているときに生じる「夜間痛」が特徴的です。

・拘縮期

組織の炎症が治まり、安静時痛・夜間痛が和らいでくる一方、「拘縮」といい、組織が硬くなってしまうことで可動域制限を引き起こしやすくなる時期です。
硬くなった筋肉が、引っ張られて生じる「運動時痛」が特徴です。

・寛解期

運動時痛も徐々に消えてきて、可動域が回復していく時期です。寛解していき病前の生活に戻していきます。

発生原因

好発年齢は40~70代です。この位の年齢で発症する方が多いと言われています。
発生原因としては、さまざまな要因が関係しておりますが、加齢により肩周囲の筋肉や腱、靱帯、関節包などの組織が炎症を起こすことが一番の要因と考えられています。

肩関節周囲炎の症状

・肩の痛み

肩関節周囲炎は、「肩の痛み」が最大の特徴であり、この痛みを訴えて受診される方がほとんどです。
肩関節は、ボール(上腕骨)と受け皿(肩甲骨)で構成されている関節であり、固定性が低く、その分自由度がとても高い関節です。そのため、あらゆる筋肉や靱帯が付着しており、それらの組織によって関節が安定しています。
長年の生活で肩関節に存在する筋肉や靱帯が炎症を起こしてしまうことで、「肩の痛み」が出現するのです。
肩関節には多くの組織が存在するため、この「肩の痛み」の発生原因はさまざまです。
その中でも、特徴である「夜間痛」の発生原因となる「肩峰下圧上昇」について説明していきます。
肩関節周囲炎は、腱板と言われる肩関節を安定させる役割を持つ筋肉や、肩の動きを滑らかにする潤滑油的役割を担う肩峰下滑液包が、炎症によりむくみや腫れを引き起こしています。
これらの原因による、肩関節を構成する上腕骨と、その上部にある肩峰の間に存在する、一定の空間が狭まってしまい、関節内の圧が高まって痛みが発生するのです。
この痛みが、肩関節周囲炎の特徴である「夜間痛」です。

・可動域制限

可動域制限とは、届くはずの関節角度に達する前に何らかの原因により、角度が制限されてしまうことです。
肩関節周囲炎では、炎症が起こったことで先ほども述べた腱板や肩峰下滑液包などが、癒着・瘢痕と言われる周囲の組織とくっついたり、硬くなったりする状態になる可能性があります。
また、痛みにより関節を動かさない状態が続いてしまうことで、筋肉の伸縮が乏しくなり、筋肉自体が硬くなってしまう「拘縮」を引き起こす恐れも考えられます。
これらの要因により、肩関節周囲炎では、肩関節の可動域制限が起こってしまうのです。

治療方法

肩関節周囲炎の3つの病期に対しての治療法をご紹介していきます。

・急性期

急性期は、“安静”が第一選択です。
患部の炎症を抑えるために、安静に徹し二次的な組織損傷や機能低下を防ぎます。
・寝るときに腕に枕を入れる
急性期症状の特徴である夜間痛により、この時期は眠れなくなることが多いです.
そのため、寝ている際にタオルやクッションを使用して、安静肢位になるよう工夫をします。
具体的には、仰向けで肩甲骨から上腕骨にかけて、床と身体の間にタオルを挟ませ、かつクッションを抱えるように寝ます。この姿勢により、肩関節に負荷の少ない姿勢となり夜間痛を和らげる効果が期待できます。
・アイシング
炎症や熱感が強い場合には、患部を冷やすことも効果的です。
冷やす目安としては15~20分間ほどが好ましいです。
長時間冷やすことは回復を遅らせる恐れがあるため、適切な時間で行うようにしましょう。
・患部外の運動
患部外の運動を急性期から行うことが、今後の機能回復に大きく関係してきます。
患部の痛みにより身体を動かさない状態が続いてしまうと、患部だけでなく身体全体が硬くなってしまい二次障害を招く恐れがあります。
そのため、患部に負荷がかからないように頚部や肩甲骨、体幹などの患部外の運動を行うようにしましょう。
・薬物療法、関節内注射
患部の炎症を抑えるために、消炎鎮痛薬を服薬したり、ステロイド剤やヒアルロン酸などを関節内に注射したりする場合があります。
これらは医療行為であるため、お近くの医療機関に相談してみてください。

・拘縮期

拘縮期は、強い炎症が落ち着き、安静時痛や夜間痛が和らいできます。しかし、急性期の炎症状態や関節の不動状態により、関節が硬くなっている可能性があります。
この時期から、徐々に患部の運動を始めていきます。
肩関節周囲の筋は、過度に緊張が入ってしまっている状態であるため、運動を行う前に緊張を和らげる必要があります。
マッサージやストレッチで肩周囲の筋肉をほぐした後に、肩関節に負荷がかかりすぎない程度に運動を行っていきます。
まずは仰向けや横向きで、重力に反さない状態での運動から始めていき、座った姿勢や立った姿勢での運動、抵抗運動と負荷を上げていきましょう。
ひとりで考え込まず、接骨院等を受診し、資格を持ったセラピストの治療や指導を受けることが一番です。

・寛解期

寛解期は、動作の改善が目的となります。痛みもほとんどなくなり、可動域の改善と筋力の向上を行い、病前の生活動作の獲得を目指していきます。
エプロンが結べない、高いところに置いてある物が取れない、ゴルフができないなどと、具体的に不具合が生じている生活動作に対して治療を行っていきます。
また、再発予防として関節に負荷のかからない生活動作を心掛ける必要があります。

まとめ

今回は、40~70代に多いと言われている「肩の痛み」が特徴的な肩関節周囲炎について、詳しくご紹介してきました。
肩関節周囲炎は、炎症による強い痛みにより、睡眠や生活動作を阻害していきます。
始めは大した痛みでなくても、無理して動かしていくと炎症が強まり、どんどん症状が悪化していきます。
「ただの五十肩」と捉えてしまいがちですが、悪化すると肩だけでなく身体全体の動きに支障が生じてくる恐れがあります。
早めに接骨院などの医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
焦らずゆっくりと治療していきましょう。

参考文献
立花 孝:肩周囲炎に対する理学療法の再考 理学療法学 第30巻第4号 214~216貢 2003
村木 孝行:肩関節周囲炎 理学療法診療ガイドライン 理学療法 第43巻第1号 67~72貢 2016
菅谷 啓之部 他:船橋整形外科方式 肩と肘のリハビリテーション p106~p139 2019
赤羽根 良和:夜間痛を合併した肩関節周囲炎の臨床的特徴 理学療法 11080 2016
肩関節周囲炎(五十肩)-基礎知識(症状・原因・治療など) MEDLEY
https://medley.life/diseases/54eae53a6ef458843585cdea/