求人票には載らない重要なポイント3つ(整骨院・鍼灸院・整形外科)
最終更新日 2022/3/7
接骨院がくグループ代表
柔道整復師 山田 学 監修
お給料の同じA整骨院とB整骨院がありました。
求人票では同じように見えるのに、A整骨院の方がもらえる月給が10万円以上も多くなりました。それはなぜだと思いますか?
ここでは整骨院を経営していないと、なかなかわからない求人票には載らない就活のポイントについてお伝えしていきます。
整骨院や鍼灸院、整形外科での就職を希望している方はこの先の情報がきっとお役に立つと思います。
お時間のない方はこちらからまとめに進んでください。
求人票には載らない重要なポイント3つ(整骨院・鍼灸院・整形外科)
・求人票では同じ条件の整骨院
・求人票には載らない大切なポイント3つ
・➀ 週40時間と週44時間の大きな差
・➁ 固定残業があるかどうか
・➂ タイムカードの時間は切り捨てされないか
・A整骨院とB整骨院の比較
・求人票に載ってないポイントのまとめ
求人票では同じ条件の整骨院
求人票では同じ月給22万円の
A整骨院とB整骨院があります。
A整骨院 給料 22万円
好条件( 固定残業なし・週40時間計算 ・1分単位で計算)
B整骨院 給料 22万円
悪条件( 固定残業45時間あり・週44時間計算 ・15分単位で切り捨て)
求人票に表記のある内容では
A整骨院 22万円
B接骨院 22万円
A・Bどちらの整骨院も差がないように見えます。
しかし、求人票だけではわからない隠れた条件によっては、月の総支給額がマイナスされたり、プラスされたり大きく変わってしまいます!
下記のホワイトボードに求人票だけではわからない、隠されたお給料のポイントを3つ書きました。
求人票には載らない大切なポイント3つ
ここからは
➀~➂のそれぞれのポイントについて説明します。
➀ 週40時間と週44時間の大きな差
週の労働時間が週40時間と週44時間では月に換算すると約17時間もの差があります。
つまり、週44時間の整骨院では月に17時間分も多く働かなければ同じお給料はもらえないということです。
➁ 固定残業があるかないか
※ 固定残業代(こていざんぎょうだい)とは、月給に残業代をあらかじめ含めている制度で、一般的には「みなし残業」とも言われています。
固定残業時間があるかどうかを確認することもとても大切です。
固定残業がある整骨院では
同じお給料でも月に45時間も多く働かなければならなくなります。
➂ 働いた時間は切り捨てされないか
タイムカードがもしも15分単位で切り捨てになっていると
せっかく働いた時間がカットされてしまいます。
例えば12:44分でお昼休憩に入る時に
働いた14分がカットされてしまい、
12:30分までの勤務として計算されてしまいます。
さらに夜に退勤する時もそのようになるので、昼夜合わせて最大で28分も間働いている時間が計算されないことになってしまいます。
・A整骨院とB整骨院の比較
これらのことを踏まえて
実際にA整骨院とB整骨院で比べてみましょう。
まず条件の悪い多数派のB整骨院の場合で考えます。
・B整骨院の場合
B整骨院(一般的な整骨院) 給料 22万円
( 固定残業45時間あり・週44時間計算 ・タイムカード15分単位切り捨て)
下の表を参考にして
一年の月で一番多い31日の月で計算しみます。
引用:社会保険労務士法人アールワンホームページより
この整骨院の場合は週44時間で計算するので
31日間ある月には、194.8時間+固定残業時間の45時間が更に加わり
月に239.8時間の勤務が必要になります。
さらにタイムカードの切り捨て
14分×昼・夜2回で
1日最大28分の切り捨て。
月に27日間出勤したとして
1日最大28分×27日出勤
=756分=12.6時間分
時間に直すとタイムカードの切り捨てのために
12.6時間分の時間がカットされてしまいます。
つまり、12.6時間分多く働かなければならないということなので
月の勤務時間239.8時間+15分単位のためカットされた12.6時間を足すと
252.4時間になります。
252.4時間働いて、22万円のお給料がもらえる計算になります。
このように退勤時間が毎回14分切り捨てになることはあまりないかもしれませんが
仮にこの最大14分×2の切り捨ての条件で計算すると
時給は712円になり、最低賃金を大幅に下回ってしまいます。
では次に条件の良い少数派のA整骨院の場合で考えます。
A整骨院の場合
A整骨院(条件の良い整骨院) 給料 22万円
( 固定残業なし・週40時間計算 ・タイムカード1分単位で計算)
下の表を参考にして計算します。
引用:社会保険労務士法人アールワンホームページより
固定残業はないので31日間ある月に177.1時間のみで220000円のお給料。( 時給換算にすると1242円 )
仮にB整骨院と同じ252.4時間働くと仮定すると、あと73.9時間の分の残業代が上乗せされます。
残業代は1.25倍できるので
1242円×1.25=1552円
75.3時間分は時給1552円で計算できます。
残業代75.3時間分の116865円がお給料に加算されます。
月給220000円+残業代116865円を足すと
お給料は336865円( 時給換算すると1334円 )
求人票のお給料は同じに見えましたが
実際はA整骨院とB整骨院では月給が116865円も違ってしまいます。
年収で考えると
月116865円の差×12か月で1402380円
140万円以上も年収がかわってしまうなんてこともあるかもしれません。
大変大きな差ですので、しっかりおさらいしていきましょう!!
・求人票に載ってないポイントのまとめ
この違いは求人票に書かれていない場合が多いので
電話問い合わせの際や面接の時などに確認する必要があります。
・求人票に載ってないポイントのおさらい
➀ 『 週の基本の就業時間は44時間計算ですか?40時間計算になりますか?』
➁ 『 固定残業はありますか?ある場合は何時間ですか?』
➂ 『 就業時間は1分単位で計算されますか?それとも15分単位で計算されますか?』
これらのことは必ず確認してください。
このことを確認することで、その整骨院の代表がスタッフ一人一人のことをどれくらい大切に思っているのかがわかります。
もちろんお給料や待遇面だけで就職先を選ぶわけではないと思います。
わたしの学生時代は月給5万円なんていう整骨院もありました。
待遇が良くない整骨院でも
技術を教えていただくのだからと納得してその整骨院に就職するのであれば、それもいいと思います。
しかし、もしも求人票ではお休みが多く見える、またはお給料が高く見えるという見かけだけのことで就職先を選んでしまうと後で後悔することになります。
私たちの思いは、治療家としての道を選んでよかったとあなたに思っていただきたいということです。
厳しい国家試験に向けて頑張ってきたあなたが就職し、条件が思っていたことと違い、他の道を選択してしまう。
このようなことが少しでも少なくなるようにと、考えています。
お給料や待遇面だけで選んではいけませんが、お給料や待遇面をしっかりと把握していなければ本当に自分にあった就職先を選ぶことはできません。
就職してからこんなはずじゃなかったという点はどうしても出てきてしまうものです。
だからこそ、しっかりとリサーチをして、この整骨院で働きたいと強く自分自身が思えるよな整骨院を就職先に決めてください。
就職してから患者様のために何ができるかを思いぬいて、技術や考え方を磨き、治療家としてやりがいを感じてこの仕事を全うしてほしいと思っております。
今回の
この記事があなたの就職先選びの一つの基準になり、輝かしい未来を進んでいかれることを願っております。