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変形性股関節症の病態や治療について解説 | 接骨院がく整骨院/針灸整体院グループは日祝日も交通事故施術に対応

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変形性股関節症の病態や治療について解説

最終更新日 2022/6/25
接骨院がくグループ代表
柔道整復師 山田 学 監修

股関節に違和感があるとか、股関節に痛みがあるという経験をされている人は多いのではないでしょうか。股関節に痛みが出る原因は様々なものがありますが、女性に多く、有名な疾患に変形性股関節症があります。
今回の記事では、変形性股関節症について、病態や治療について解説していきます。

変形性股関節症の病態や治療について解説 もくじ

・変形性股関節症とは

・変形性股関節症はどのような人に多い?

・変形性股関節症の治療について

・股関節以外の問題

・手術をした後の生活について

・まとめ

変形性股関節症とは

変形性股関節症とは、股関節を構成している骨盤のカップの部分(臼蓋と言います)と大腿骨の頭の部分(骨頭と言います)が変形してしまう病態のことを言います。症状の出方は人それぞれで、歩きはじめに痛みや違和感が出る程度の人もいれば、長時間の歩きだけで痛みを感じる人もいます。症状がひどくなると、股関節を動かしただけで、きしむような音がするようになったり、股関節の可動範囲が減少してきてしまう場合も多く見受けられます。
最終的には股関節の痛みが強く、歩くことが困難になってしまい、手術に至る例が多いです。

変形性股関節症はどのような人に多い?

変形性股関節症は、女性に多いとされています。特に、幼少期に先天性股関節脱臼という病気を経験している人が多い印象です。また、骨盤のカップ(臼蓋)が浅い状態になってしまう、臼蓋形成不全という状態になっている人も、変形性股関節症になるリスクが高いと思われます。
股関節は体重をしっかりと支えている関節でもあるため、体重が重い人も変形性股関節症のリスクがあると考えられます。
上記のように、先天的な病気や体重の増加が主な原因ですが、その他にも変形性股関節症に至る病気があります。大腿骨頭壊死を伴う病気も、変形性股関節症の原因とされています。

変形性股関節症の治療について

変形性股関節症の治療としては、手術を行う方法と、手術をせずに経過をみる方法があります。

・変形性股関節症の手術

変形性股関節症の治療のために行う手術は、人工関節置換術と言います。股関節を構成している骨盤の臼蓋や大腿骨頭を人工の物に交換してしまう手術です。
この手術により、変形している骨は取り除かれ、人工のものに置き換わりますので、手術前に感じていた強い痛みを感じなくなります。また、変形が原因で足が短くなってしまう人がいますが、足の長さも元どおりに戻せる可能性があります。
手術の方法として、股関節の後ろからメスを入れる後方アプローチと、股関節のやや前面からメスを入れる前方アプローチがあります。それぞれ、メリット・デメリットが存在します。

・後方アプローチについて

後方アプローチは、お尻の近くにメスを入れOPEをする方法です。この方法は、お尻の筋肉を切開し股関節に到達しますので、術野が広く、手術が行いやすい利点があります。
しかし、股関節が脱臼する可能性があるというデメリットもあります。手術後の生活には注意が必要で、股関節が脱臼しないように注意して生活する必要があります。股関節を深く曲げたり、女の子座りのように内側に捻るような足の形にならないようにする必要があります。脱臼してしまった場合には、整復をしなければいけませんが、戻りにくい場合には全身麻酔をかけて整復をすることもあります。また、脱臼に伴い人工関節の破損がある場合には、手術をやり直す可能性もあります。

・前方アプローチについて

前方アプローチは、ズボンのポケットあたりからメスを入れOPEをする方法です。この方法は、筋肉の切開をすることなく、筋肉をかき分けながら股関節に到達し、人工関節に入れ替えます。筋肉を切らないので、手術後に早期に歩行を獲得できる利点がありますが、術野が狭いため、手術の難易度が高いことがデメリットです。
後方アプローチでは、股関節の脱臼について注意が必要ですが、前方アプローチでは脱臼する方向が後方アプローチとは違うため、日常生活でもそれほど注意をしなくても大丈夫というのが大きな利点です。
前方アプローチでも脱臼する可能性はありますが、足を大きく後ろに広げて、さらに外ねじりをするという姿勢にならなければ大丈夫です。このような姿勢は、フィギュアスケートで一部見られますが、日常生活ではほぼあり得ません。

・手術をしないで経過を見る

変形性股関節症が診断されると、まずは手術をしないでリハビリなどで経過を追っていくことがあります。まだ、レントゲン上それほど変形が進んでいない場合に、手術をしない治療法が選択される可能性があります。
リハビリでは、股関節の可動性を広げたり、股関節周りの筋肉を鍛えて、股関節にかかる負担を軽減したり、股関節以外の筋トレを行ったりします。
変形性股関節症の早期であれば、症状を緩和し、手術に至るまでの期間を延長することができるかもしれません。場合によっては、痛みが消失し、その後も通常の生活を送ることができるようになる可能性もあります。
変形性股関節症が気になる場合には、早めに医療機関に相談しにいくことが必要です。

股関節以外の問題

変形性股関節症は、股関節以外にも問題が出てくることがあります。その問題とは、腰の問題です。
股関節が変形してくると、多くの場合、骨盤が前に倒れてきてしまい、腰は反り腰になる傾向になります。反り腰の状態が続いてしまうと、腰の可動性が低下したり、腰の骨自体が変形してきたりします。また、脊柱管狭窄症や腰椎すべり症などの疾患を発症する可能性も考えられます。
これらのように、股関節と腰は密接に関係しており、変形性股関節症の治療を行ったら腰が楽になったという例も存在しています。

手術をした後の生活について

もし、手術をすることになった後の生活についても解説しておきます。
手術をした後には、いわゆる普通の生活が待っています。一定の行ってはいけない姿勢は存在する場合がありますが、それ以外は普通の生活です。ある程度のスポーツも行っても良いとされています。手術を受けるということは、痛みが無くなったらやりたいことがあるので手術を受けるのだと思います。友人との旅行や長年続けていた趣味など、やりたいことをしっかりと楽しむことができるようになるはずです。
マラソンやジャンプを伴う競技など、制限されてしまう可能性のある競技もあるため、執刀医にしっかりと確認してください。基本的には、いろいろなことが許可されやすい手術です。

まとめ

今回は、変形性股関節症について解説してきました。
変形性股関節症は、もともとの先天的な要因の他にも、体重の増加や大腿骨の壊死などが原因で発症することがある、女性に多い疾患です。
現在では、手術が確立され症例数も多いため、整形外科の病院では一般的な疾患になったと言えます。
変形性股関節症の痛みは変形した骨に起因する痛みのため、重度になると強い痛みを生じ、生活の質を下げてしまいます。手術が怖いと思う方も多いと思いますが、手術後の痛みの無い生活を獲得できることを考えると、手術によるメリットの方が大きいと考えられるかもしれません。
まずは、変形性股関節症のような症状がある人は、早めに整形外科など専門家を受診していただき、股関節の状態をチェックしてもらうことをおすすめします。
また、病院は手術の件数を参考にして選ぶと良いです。できれば、人工関節を専門に行っている医師の元を訪ねてみることをお勧めします。様々な患者さんの相談に乗っている医師の方が、的確なアドバイスをくれると思います。場合によっては、手術をしなくても大丈夫かもしれません。
早めに受診をして、自身の股関節の状態をしっかりと把握することから始めていきましょう。