足のむくみの原因と改善方法
最終更新日 2021/06/22
接骨院がくグループ代表
柔道整復師 山田 学 監修
立ち仕事やデスクワークをしている方は、足のむくみを一度は感じたことがあるのではないでしょうか?
特に女性の方は足のむくみが取れないと悩んでいる方も多いと思います。
足のむくみの原因にはさまざまなものがあり、疲労などからくるものや病気などからくる場合もあります。
ここでは、足のむくみの原因や改善方法についてわかりやすくお話していきます。
足のむくみ もくじ
・ 足のむくみとは?
・ 足がむくみやすくい方の特徴
・ 足のむくみの原因となる病気
・ 足のむくみの予防法
・ 足のむくみQ&A
・ 足のむくみの施術法
足のむくみとは?
わたしたちの体は心臓から血液が送り出され、動脈を通って全身の細胞へと栄養がいきわたっています。
血液の帰りには細胞からでた老廃物を集めながら静脈を通って心臓へと戻ります。
こういった流れがなんらかの原因によって、うまくできなくなってしまうと細胞と細胞の間に水分が溜まってしまい、むくみを起こします。
なかでも体で最もむくみを起こしやすいのは足です。
ではなぜ、足がむくみを起こしやすいのかというと
心臓から離れているためです。
血流は心臓から離れているほど流れが弱く、悪くなりやすいです。
また、足の血液は重力に逆らいながら戻ってこなくてはいけないのです。
ふくらはぎは筋ポンプといって筋肉の収縮によって血液を心臓に戻す働きをしています。
足の筋力低下や疲労などによって筋ポンプの働きが弱くなってしまうと足のむくみを引き起こしやすくなります。
足がむくみやすい方の特徴
①長時間同じ姿勢で仕事をしている
デスクワークなどの仕事でふくらはぎを動かすことが少ないと筋ポンプがうまく働かず、心臓に血液が戻りにくくなってしまいます。
さらにずっと動かずにいると重力によって下半身に水分が溜まりやすくなってしまいます。
その結果、足がうっ滞といって静脈血が滞った状態になり、むくみにつながっていきます。
②運動不足
運動不足によってふくらはぎの筋力が低下してしまうと、筋ポンプの作用が弱くなってしまい血液が心臓にうまく戻らなくなってしまいます。
③塩分の摂りすぎ
しょっぱいものを食べるとのどが渇き、ドリンクを飲むと思います。
体は塩分を摂りすぎると水分を溜め込もうとします。
その結果、余分な水分を排出できなくなり、むくみにつながっていきます。
④アルコールの摂りすぎ
アルコールには血管内脱水作用があり、血液の濃度を上げてしまいます。
そのため、体は血液濃度を一定に保とうと水分を補給しようとします。
さらにアルコールの分解には水分が必要になるので、摂取量が排泄量を上回りむくみの原因になっていきます。
居酒屋などで飲んだ次の日がむくんでいることが多いのは、塩分とアルコールの摂りすぎの2つが原因になっています。
居酒屋などは味付けが濃いものが多いので、
しょっぱいものを食べる→のどが渇く→アルコールを飲む
といったサイクルになり、塩分やアルコールを摂りすぎてしまいます。
⑤冷え性
冷え性の方は手足などの末端が冷えやすく、体は冷えてしまうと血流が悪くなってしまいます。
そのため、血液が滞っていきむくみにつながっていきます。
また、冷え性でなくとも冷房などで冷えた部屋に長時間いることも原因の1つになります。
⑥女性
・生理による場合
排卵後にプロゲステロンというホルモンが増え、月経前に体が水分を溜め込もうとします。
・妊娠による場合
妊娠中はお腹の中に赤ちゃんがいることで下半身の血流が特に悪くなってしまいます。
そのため、足の血液が心臓に戻りづらくなってしまいます。
・筋肉量
女性は男性に比べて筋肉量が少ないです。
そのため、筋ポンプの作用も弱く足がむくみやすいです。
足のむくみの原因となる病気
①肝臓、腎臓の障害
体の中にはアルブミンというたんぱく質があり、血管に水分を取り込んだり、排出したりする浸透圧の調節をしています。
このアルブミンは肝臓で合成され、腎臓でろ過されます。
そのため、肝硬変や腎不全などによって障害されてしまうとアルブミンが低下して浸透圧の調節できなくなり、その結果水分の調節もできなくなってしまいます。
②心臓の障害
心不全などの病気で心臓の血液を送り出すポンプ機能が低下してしまうと血流が悪くなり、心臓から遠い足はより影響を受け、むくみやすくなってしまいます。
③下肢静脈瘤
足の静脈には心臓に向かった血液が逆流するのを防ぐ弁があります。
この弁がなんらかの原因によって壊れてしまうと、血液が逆流し足に血液が溜まりやすくなってしまいます。
④リンパ浮腫
がん手術によってリンパ節を切除するとリンパの流れが悪くなって手や足で滞り、むくみの原因になります。
足のむくみの予防法
①適度な運動
体を動かすことによって筋肉を活性化させ、筋ポンプがしっかりと働けるようにしておきましょう。
さらに体を動かすことで筋肉が熱を持ち、冷えにくくなり血流も良くなります。
普段より少し早く歩いたり、軽いジョギング、階段の昇降など、足を使うことを意識してみましょう。
②姿勢の改善
頬杖や猫背などはあごにかかる負担を大きくしてしまいます。
背筋を伸ばすように意識してみましょう。
また、片足立ちも重心をのせている側のあごに負担がかかっています。
なるべく片足立ちを避け、重心を中央に置くようにしましょう。
②塩分や水分を摂りすぎないようにする
スナック菓子やカップラーメンなど味の濃いものはなるべく控えるようにしましょう。
塩分の摂りすぎは水分の摂りすぎにも関係してくるので、薄味のものを食べるようにしましょう。
③体を冷やさないようにする
冷房が効いている部屋ではなるべく足が冷えないようにしましょう。
レッグウォーマーなどを使用するのもいいですね。
④しっかりと睡眠をとる
横になると血液の循環が良くなります。
すると足に溜まった水分が循環されたり、余分な水分が尿として排出されます。
また、寝るときにタオルや座布団などを足の下に入れ、少し高くして寝ると心臓に血液が戻りやすくなります。
<足のむくみの予防体操>
足のむくみの予防にはふくらはぎの筋力、柔軟性を維持することが大切です。
ここで家でも簡単にできる足のむくみの予防、改善になる体操を2つご紹介していきます。
ちょっとした時間の合間にできるのでぜひ実践してみてください。
①ふくらはぎの筋力トレーニング
・椅子に座り両足の踵を床につけます
・両足の踵を繰り返し5回上げ下げします
これを2セット行ってください。
ポイントは
ふくらはぎの筋肉にしっかりと力が入っているのを感じるぐらいまで踵を上げることです。
②ふくらはぎのストレッチ
・壁に手をつき片足を前方にだします
・前方にだした膝を曲げ、体重をかけます
・10秒キープしたら元の姿勢に戻ります
これを10セット行ってください。
ポイントは
膝を曲げたときに後ろの踵が浮かないようにすることです。
足のむくみQ&A
足のむくみを取るにはどうしたらいいですか?
ストレッチやマッサージ、弾性ストッキングを着用しましょう。
ストレッチやマッサージをして足に溜まった余分な水分を心臓に戻すようにしましょう。
下から上へとマッサージするとより効果的です。
弾性ストッキングは、
足を圧迫することで血管やリンパ管が刺激され、循環の手助けをしてむくみの改善になります。
お風呂に入るのは効果ありますか?
お風呂に入ると全身が温まり、血流が良くなるのでとても効果的です。
体が温まったら冷水で足を冷やして、また温まることを繰り返すとより効果的です。
血管は温めると拡張し、冷やすと収縮します。
これを繰り返すことで足の血流を促進させることができます。