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半月板損傷とはどんなケガ?原因や治療法を解説 | 接骨院がく整骨院/針灸整体院グループは日祝日も交通事故施術に対応

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半月板損傷とはどんなケガ?原因や治療法を解説

最終更新日 2022/9/26
接骨院がくグループ代表
柔道整復師 山田 学 監修

スポーツの場面で起こりやすいケガの1つに、ひざの半月板損傷があります。半月板損傷はとても起こりやすいケガでもあり、一度受傷してしまうと長期間の治療を要するため注意が必要です。 この記事では、半月板損傷とはどのようなケガなのか、その原因や治療法、予防法について解説します。スポーツをしている方はご覧になり、お役立てください。

半月板損傷とはどんなケガ?原因や治療法を解説 もくじ

・半月板とは?

・半月板損傷とは?

・半月板損傷の検査方法は?

・半月板損傷の治療法は?

・半月板損傷を予防するために

・まとめ

半月板とは?

半月板とは、太ももの骨(大腿骨)と脛の骨(脛骨)間の膝関節の、脛骨側に存在する組織です。半月板は内側半月と外側半月に分かれており、それぞれ「C」のような形をしています。半月板は膝関節のクッションと言われることもあり、衝撃を吸収するという大きな役割を担っています。その他にも、膝関節を安定させる、膝関節の動きをなめらかにするといった役割もあります。

半月板損傷とは?

半月板損傷とは、膝に強い衝撃が加わることで半月板が損傷を受け、さまざまな障害を引き起こした状態です。半月板損傷の原因や症状について詳しく解説します。

・半月板損傷の原因

半月板損傷はスポーツ場面で多く見られるケガであり、体重がかかった状態で膝をひねったり、膝が深く曲がったりすることで起こります。そのような衝撃が加わると、半月板が脛骨と大腿骨の間に挟まれて損傷を受けてしまいます。

内側半月板損傷は、外側半月板損傷の約5倍多く発生しやすいとされていて、膝が内側に入る、いわゆる「内股」と言われる姿勢で特に損傷しやすいです。
また、半月板は加齢とともに劣化して損傷を受けやすくなり、高齢者の場合は日常生活の動作の中でも半月板が損傷してしまうことがあります。

・どのような場面で起こりやすいか

半月板損傷が起こりやすい場面としては、ジャンプした後の着地の際に膝をひねってしまう、急な方向転換を行う、接触プレーの際に膝をひねってしまうことなどが挙げられます。
また、ランニングや水泳と言った競技でも半月板損傷が起こる可能性があります。ランニングで単調な動作を繰り返すことで半月板が徐々に摩耗し、水泳の平泳ぎでは膝に捻る力が加わります。
よって、多くのスポーツのプレー中だけでなく、トレーニング中にも起こる可能性のあるケガであると言えます。

・半月板損傷の症状

半月板が損傷すると安静時・運動時ともに痛みが生じ、膝を曲げたり伸ばしたりしたときに引っかかり感が現れます。損傷がひどい場合には、膝に水が溜まったり、膝が急に動かなくなるロッキングという状態になったり、ひどい痛みにより歩行が困難になることもあります。

時間の経過とともに痛みが落ち着くこともありますが、半月板は栄養が届きにくい組織であり、損傷すると自然治癒は難しいと言われています。痛みがなくなったからといって適切な治療をせずに放置してしまうと、膝に負担がかかり更なる合併症を引き起こすことがあります。

・半月板損傷の合併症

膝に衝撃が加わると膝の靭帯にも負荷がかかり、半月板損傷に加え、前十字靭帯損傷や内側側副靭帯損傷を合併することもあります。前十字靭帯や内側側副靭帯を損傷すると、膝の不安定感が増し、激しい痛みを伴います。

半月板損傷を長期間放置すると、膝関節の軟骨がすり減り、変形性膝関節症を引き起こす可能性があります。変形性膝関節症を発症すると、慢性的に痛みが生じるだけでなく、膝に水が溜まったり、O脚やX脚と言われるような変形が目立ったりすることがあります。ひどい場合には、人工膝関節手術が必要となることもあります。

半月板損傷の検査方法は?

半月板損傷が疑われる場合には、脚を動かしながら半月板にストレスをかけ、痛みがあるか確認します。その後、レントゲンやMRI検査が行われます。
レントゲンでは半月板は明確に写りませんが、主に、半月板損傷に伴う骨などの組織に異常がないかを確認するために用いられます。
MRIでは半月板の損傷の程度や状態を把握するのに有用で、さまざまな角度から膝関節の状態を確認できます。また、MRIでは靭帯損傷の合併の有無や、関節軟骨の状態も詳しく見ることができます。

半月板損傷の治療法は?

半月板を損傷してしまった際に行われる治療について解説します。

・保存療法

半月板の損傷の程度が比較的軽度で、ロッキングがない場合には保存療法が選択されます。
痛みや腫れが強い場合は膝を動かさないように安静にし、移動の際には松葉杖を使うこともあります。また、必要に応じて、痛みや炎症を抑える薬の内服や、関節にたまった水を抜いたり、膝関節の潤滑油の役割があるヒアルロン酸を注射したりします。
膝の安定性を高めるために、サポーターを使用することもあります。

腫れや痛みがおさまったら、膝を少しずつ動かしたり、安静期間で落ちてしまった筋力を取り戻すためのトレーニングやバランス練習を行ったりします。痛みがおさまっても損傷した半月板は完全な状態ではないので、専門家の指導の下でトレーニングを行いましょう。

・手術療法

半月板の損傷がひどい場合や、靭帯損傷が伴う場合には、手術を行うことがあります。
半月板損傷に対して行われる代表的な手術には、半月板縫合術と半月板切除術(部分切除術)の2種類があります。どちらの手術も小さなカメラを用いて行う関節視鏡下手術で、傷が比較的小さいのが特徴です。
靭帯損傷を伴う場合には、靭帯縫合術や靭帯再建術を同時に行うこともあります。

・半月板縫合術
損傷した半月板を縫い合わせることが可能で、自然治癒が見込める場合に行われます。縫合が可能な部位は限られているので、半月板切除術を併用することもあります。
半月板切除術と比べるとリハビリに時間がかかる傾向がありますが、再生が難しい半月板を残せるので、将来的には膝関節を保護できるというメリットがあります。

・半月板切除術(部分切除術)
縫い合わせることが困難な場合や、自然治癒が見込めない場合に行われます。損傷部位やささくれ立った表面を、ハサミやパンチ、シェーバーで整えます。

どちらの手術も、手術から1~2日後程度で、松葉杖を使用しての退院が可能です。手術後は1か月程度、ギプスやサポーターで膝関節を固定する必要があります。
スポーツへの部分的な復帰は術後3か月、完全復帰は術後6か月程度が目安です。

半月板損傷を予防するために

半月板を損傷すると、靭帯損傷などの合併症を伴う可能性や、日常生活やスポーツ競技への復帰に時間がかかってしまう可能性があります。半月板損傷やその他の膝関節の傷害を予防するために効果的な方法を紹介します。

・身体の柔軟性を高める

半月板損傷だけでなく、さまざまなケガを予防するために大切なのが、身体の柔軟性です。
膝関節だけでなく、股関節や足首も柔らかい状態にしておくと、衝撃を受けた際に膝への負担を軽減させることができます。身体の柔軟性はすぐには向上しないので、日頃のストレッチや、運動前の準備運動をしっかり行いましょう。

・膝関節に負担のかからない着地を身に着ける

先ほども解説したように、ジャンプしたあとに膝が内側に入った状態で着地をすると半月板損傷が起こりやすいとされています。また、膝を伸ばしたままの着地も膝関節に大きな負担がかかります。
着地の際には膝関節に負担をかけないように、膝をクッションのように曲げることが何よりも大切です。特に、バレーボールやバスケットボールなどのジャンプ動作が多い競技では、膝が内側に入らないような着地の癖をつけましょう。

・膝関節周囲の筋肉を鍛える

半月板損傷後のリハビリでも膝周囲の筋力トレーニングを行いますが、半月板損傷の予防のためにも、膝周囲の筋肉を鍛えることは大切です。膝を伸ばすときにはたらく大腿四頭筋は、膝関節を安定させるはたらきもあります。大腿四頭筋の中でも、特に内側広筋を鍛えることで膝関節の安定化が図れます。

スクワットや、マシンを使った筋力トレーニングも効果的ですが、バランスボードなど、足元が不安定な状態でバランスを保つのも膝関節を安定させるトレーニングとして効果的です。

まとめ

スポーツを行う人はもちろん、加齢により誰にでも起こりやすい半月板損傷。受傷してしまうと、痛みが伴うだけでなく、長期間の治療が必要となり精神的な負担もかかってしまいます。完全に予防するのは難しいですが、柔軟性や筋力の向上など、無理のない範囲で対策をするのをおすすめします。

参考文献
福村憲司、谷口良康、他:スポーツ選手の半月板損傷と靭帯損傷の合併について、1996
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai1951/45/3/45_3_813/_article/-char/ja/
一戸貞文、吉田昌明、他:前十字靭帯に伴った半月板損傷、2000
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tohokuhiza/10/0/10_15/_article/-char/ja/
松野丈夫、中村利孝、他:標準整形外科学、P674-676、2014