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お尻の痛みや痺れの原因はヘルニアかも?詳しく解説

最終更新日 2022/9/5
接骨院がくグループ代表
柔道整復師 山田 学 監修

最近、なんとなくお尻が痺れる感じがする、ぶつけていないのにお尻に痛みを感じるということはありませんか?その違和感の原因はお尻ではなく、腰椎のヘルニアかもしれません。
ヘルニアは進行すると、常に強い痛みが生じたり、排尿・排便障害を引き起こしたりすることもあります。また、腰椎だけでなく、頸椎や胸椎でもヘルニアが生じる可能性があります。
この記事では、ヘルニアとはどんな疾患なのか、どんな治療を行うかについて詳しく解説します。

お尻の痛みや痺れの原因はヘルニアかも?詳しく解説 もくじ

・椎間板ヘルニアとは

・椎間板ヘルニアの原因

・椎間板ヘルニアの症状

・椎間板ヘルニアの診断方法

・椎間板ヘルニアの治療法

・まとめ

椎間板ヘルニアとは

一般的に「背骨」と呼ばれる、首から腰までを支えている骨(脊椎)は、椎骨という骨のパーツが連なってできています。それぞれの椎骨にはリング状になっている椎体という部分があり、この中を脳から繋がる太い神経(脊髄)が通っています。
椎間板は椎体と椎体の間にあり、クッションの役割をしています。
椎間板は、中心部に水分を多く含む髄核という部分があり、その周りを繊維輪が取り囲んでいます。
何らかの原因により、中心部の髄核が繊維輪を突き破って飛び出している状態を椎間板ヘルニアと呼びます。飛び出た髄核が脊髄を圧迫すると、痺れや痛みなどの神経症状が生じます。
椎間板ヘルニアは脊椎のどの部分でも起こる可能性がありますが、腰椎や頚椎に生じやすく、胸椎は稀であるとされています。

椎間板ヘルニアの原因

椎間板ヘルニアは、加齢による椎間板の弾力性の低下や、椎間板に負荷がかかる行為が原因で生じるとされています。
椎間板に負荷がかかる行為として、頚椎の場合はラグビーなどのコンタクトスポーツや、長時間悪い姿勢でパソコンやスマートフォンを操作することが挙げられます。
胸椎の場合は、先ほども述べたように発症は稀であり、外傷などの原因が見つからないことが多いとされています。
腰椎の場合は、重いものを持つ作業や中腰での作業を長期にわたって行うこと、激しい運動などが挙げられます。

椎間板ヘルニアの症状

椎間板ヘルニアを発症するとどのような症状が現れるのか、ヘルニアが生じた部位ごとに解説します。

・頚椎椎間板ヘルニア

頚椎の椎体を通る脊髄(頚髄)は、肩から指先にかけての知覚や運動を司る神経に繋がっています。また、胸髄や腰髄への通り道でもあるため、損傷部位によっては下半身にも症状が生じることもあります。
頚椎椎間板ヘルニアの初期症状として、首や肩に違和感や鈍痛が生じ、次第にはっきりとした痛みや痺れが生じてきます。進行すると、痛みや痺れの程度が増すだけでなく、首や腕の動かしにくさも現れ、手術が必要となります。

・胸椎椎間板ヘルニア

胸椎の椎体を通る脊髄(胸髄)は、体幹の知覚や運動を司る神経に繋がっています。
胸椎椎間板ヘルニアの場合は、歩行時に足がもつれるような感じがしたり、階段の上り下りに不安を感じたりすることから発症に気付くことが多いと言われています。背中の痛みや肋間神経痛のような痛みが生じることもあります。

・腰椎椎間板ヘルニア

腰椎の脊柱管を通る脊髄(腰髄)は、下半身の知覚や運動、排尿・排便を司る神経に繋がっています。
腰椎椎間板ヘルニアの初期症状として、腰やお尻の痛みが挙げられます。次第に腰から足先までの広い範囲に、痛みや痺れの症状が見られます。これらの症状は、前かがみになったときや座っているときに強くなる傾向があります。
腰椎椎間板ヘルニアが進行すると、下半身に力が入りにくくなり歩行に支障が生じたり、排泄がしにくい、漏れやすいといった排尿・排便障害を引き起こしたりすることもあります。排尿・排便障害が生じた場合は、手術が必要となります。

椎間板ヘルニアの診断方法

椎間板ヘルニアを診断するには、まず痛みの状態を確認します。症状のある部位を動かしたり、姿勢を変えたりしながら痛みの出現の有無や痛みの強さを確認していきます。加えて、感覚が鈍くなっていないか、筋力が弱くなっていないかなども簡易的に検査していきます。
また、椎間板ヘルニア以外の疾患がないかを確認するためにレントゲンでの検査も行います。レントゲンでは椎間板の状態を確認することは難しいため、レントゲンの結果からは椎間板ヘルニアと診断することはできません。しかし、椎間板ヘルニアと同様に痛みや痺れを生じさせる脊椎の骨折や腰椎分離症などの疾患を鑑別することは可能です。
椎間板ヘルニアの確定診断は、MRIを用いて行われます。MRIの画像により、ヘルニアが生じている部位や、ヘルニアの大きさなどを特定することができます。

椎間板ヘルニアの治療法

椎間板ヘルニアと診断された場合に行われる、一般的な治療法について解説します。

・保存療法

椎間板ヘルニアに対しては、一般的に保存療法が行われます。
具体的には、安静にする、コルセットなどの装具の装着、鎮痛剤や筋弛緩薬などの内服が挙げられます。症状に応じて、筋力を向上させるための運動や、専用の器具を使用して行う牽引療法も行われることがあります。

・神経ブロック療法

保存療法を行っても症状の改善が見られない場合は、神経ブロック療法を行います。ブロック療法とは局所麻酔薬やステロイド薬を注射する治療法で、代表的なブロック療法として、神経根ブロックと硬膜外ブロックの2種類の方法があります。
神経根ブロックは、症状が出ている原因となっている神経に局所麻酔薬またはステロイド薬を注入する方法です。造影剤を使用して神経の走行を確認し、枝分かれした神経の根元や、その周囲に薬剤を注入します。注射時の痛みは強いですが、原因となっている神経の近くに直接注射をするので、痛みの症状の緩和に高い効果を発揮します。
硬膜外ブロックは、脊髄の外側にある硬膜外腔に局所麻酔薬またはステロイド剤を注入する方法です。硬膜外ブロックを行うことで、ダメージを受けて活性化した神経の活動を抑え痛みなどの症状を緩和します。神経根ブロックと比較して、広範囲に生じた症状の緩和に適しています。

・手術療法

保存療法やブロック注射を行っても改善が見られない場合や、症状が進行している場合には手術療法が行われます。手術療法における、代表的な術式を紹介します。

・後方椎間板切除術

一般的に多く行われている、背中を切開し飛び出している椎間板を切除する方法です。5~6㎝程切開しますが、幅広い症例に対応できる術式です。手術後は1か月程度のコルセットの装着が必要となります。

・椎間固定術

特に腰痛がひどい場合に後方椎間板切除術と同時に行われる手術であり、神経の圧迫を解除した後、金属などで骨を固定する方法です。

・経皮的レーザー椎間板減圧術

背中を切開せずにヘルニアを切除する新しい手術法です。背中の患部付近に針を刺し、レーザーファイバーを通して椎間板の中にある髄核をレーザーで焼きます。レーザーで焼くことで椎間板の中に空洞ができ、椎間板が収縮することで神経の圧迫を軽減します。傷も小さく日帰りで受けることも可能な手術ですが、適応となるヘルニアのタイプは限られます。

まとめ

今回の記事では、椎間板ヘルニアの病態や治療法について解説しました。
腰やお尻の違和感が最初に現れることが多く、「たいしたことはないだろう」と考えてしまいがちですが、悪化すると手術の適用となるなど、日常生活に大きく支障が出てしまいます。
少しでも違和感を感じたときは、専門家による診断を受け、適切な治療を受けましょう。

参考文献
井樋栄二 他:標準整形外科学 P559-P563 2020
Medical Note
https://medicalnote.jp/diseases/%E6%A4%8E%E9%96%93%E6%9D%BF%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%82%A2?utm_campaign=%E6%A4%8E%E9%96%93%E6%9D%BF%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%82%A2&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo
Medical Frontier
https://mdf.or.jp/spine/